長崎県議会 > 2022-12-02 >
12月02日-03号

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  1. 長崎県議会 2022-12-02
    12月02日-03号


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    令和 4年 11月 定例会令和4年11月定例会                令和4年12月2日               議事日程                               第8日目-----------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会令和4年12月2日(金曜日)出席議員(46名)     1番  石本政弘君     2番  赤木幸仁君     3番  中村泰輔君     4番  饗庭敦子君     5番  堤 典子君     6番  鵜瀬和博君     7番  清川久義君     8番  坂口慎一君     9番  千住良治君    10番  下条博文君    11番  山下博史君    12番  北村貴寿君    13番  浦川基継君    14番  久保田将誠君    15番  中村一三君    16番  宮島大典君    17番  宮本法広君    18番  麻生 隆君    19番  川崎祥司君    20番  山口経正君    21番  吉村 洋君    22番  坂本 浩君    23番  深堀ひろし君    24番  大場博文君    25番  近藤智昭君    26番  宅島寿一君    27番  山本由夫君    28番  松本洋介君    29番  ごうまなみ君    30番  中島浩介君    31番  前田哲也君    32番  堀江ひとみ君    33番  溝口芙美雄君    34番  中山 功君    35番  小林克敏君    36番  山口初實君    37番  山田朋子君    38番  西川克己君    39番  浅田ますみ君    40番  外間雅広君    41番  徳永達也君    42番  中島廣義君    43番  瀬川光之君    44番  坂本智徳君    45番  田中愛国君    46番  八江利春君-----------------------------------説明のため出席した者  知事             大石賢吾君  副知事            平田修三君  副知事            平田 研君  統轄監            柿本敏晶君  危機管理監          多田浩之君  企画部長           浦 真樹君  総務部長           大田 圭君  地域振興部長         早稲田智仁君  文化観光国際部長       前川謙介君  県民生活環境部長       貞方 学君  福祉保健部長         寺原朋裕君  こども政策局長        田中紀久美君  産業労働部長         松尾誠司君  水産部長           川口和宏君  農林部長           綾香直芳君  土木部長           奥田秀樹君  会計管理者          吉野ゆき子君  交通局長           太田彰幸君  地域振興部政策監       渡辺大祐君  産業労働部政策監       村田 誠君  教育委員会教育長       中崎謙司君  選挙管理委員会委員長     高比良末男君  代表監査委員         下田芳之君  人事委員会委員        辻 良子君  公安委員会委員長       瀬戸牧子君  警察本部長          中村 亮君  監査事務局長         上田彰二君  人事委員会事務局長労働委員会事務局長併任)                 大崎義郎君  教育次長           狩野博臣君  財政課長           小林 純君  秘書課長           大瀬良 潤君  選挙管理委員会書記長     大塚英樹君  警察本部総務課長       車 康之君-----------------------------------議会事務局職員出席者  局長             黒崎 勇君  次長兼総務課長        藤田昌三君  議事課長           川原孝行君  政務調査課長         濱口 孝君  議事課課長補佐        永尾弘之君  議事課係長          山脇 卓君  議事課会計年度任用職員    天雨千代子君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(中島廣義君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 日ごろから県政推進に取り組んでいただく県職員に敬意を表し、そして、コロナ禍の中で、医療関係者はもちろんのこと、庁内においても休みを返上し取り組んでいただいている担当部署に対して、県民の一人として感謝を申し上げます。ありがとうございます。 今日は、早朝より非常に祝勝ムードであります。本県出身の森保監督、吉田麻也さん、本当に我が県の誇りだと思いますので、後ほど知事がもし答弁する機会があれば、一言触れていただければと思います。 そういうことで、今日はお祭りムードですので、答弁も、答弁書にある記載以上に前向きな答弁をいただいて大丈夫だと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、質問に入ります。一問一答で行います。 1、財政について。 (1)今年度補正予算の成果検証について。 今年度に編成した補正予算、約1,044億円のうち、原油価格・物価高騰対策など県内経済の回復拡大に向けた予算は205億円でありました。 施策として有効であったのか、また、今まで以上に有効に使われているのかを検証し、次に活かすことが大事だと考えます。 補正予算の事業の中で、一番強く要望しておりました、借換え需要を含めた資金繰りの融資拡大の執行状況について、まず、お尋ねいたしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響を受けた県内中小企業者向けの県の制度融資であります「緊急資金繰り支援資金」について、令和4年度における保証承諾状況は、直近の10月末時点で、延べ件数429件、金額約48億9,100万円であり、このうち既存融資の借換えにつきましては、延べ件数158件、金額約17億5,700万円が活用されている状況であります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 補正予算で100億円積み増しをした中で、今のような答弁があっております。 企業にとって有利なゼロゼロ融資の償還は、本格的には来年になって始まるんですが、それ以前に、今言ったように借換えの案件が17億円発生しているということで、非常に、積み増したことも含めて、その当時の補正予算の立て方としてはよかったんだろうなと思います。 ただ、6月、9月を中心にした補正予算の中で、省エネ等の設備導入補助金は、現在、全体での申請件数が335件、申請金額にして2億8,100万円と、予算の35%の執行。 県内中小企業DX事業についても、現在、経費の一部の支援については、予算額からすると38%。 そして、認証店の利用拡大のための飲食店支援クーポン事業については、1回目のクーポンの清算率は、回収率57%で執行残が約1億4,500万円残っております。クーポンの事業については、第2弾として、さきの9月定例会の補正予算でも挙げました。 ただし、今現在の状況をお話しすると、そもそも1万店ある飲食店を救済したいと、支援したいといったような事業の内容であったと思いますが、認証店に限った事業ですので、認証店自身が今現在4,000店舗、そのうち、この第2弾のクーポンの事業に参加している店舗が、今現在、約2,000店舗弱ですね。 そういう状況を考えた時に、飲食店舗1万軒を支援するための補正予算ということで組み立てられましたけれども、実際的にはそのうちの2,000店舗が、その恩恵というか、事業の適用を受けているという状況を考えた時に、執行残がかなり出ることも含めて、当時の組み立て方として本当に有効であったのかということは、都度都度ですね、補正予算を私たちは可決して通しましたけれども、その都度、検証しながら見直していくことが大事であると思っておりますので、今後について、そういう点も考慮しながら、また、次の補正予算に対して活かしていただきたいと思っております。 そうした中で、9月定例会の委員会の審査の中でも、子育て支援の補正予算について少し意見を述べさせてもらいましたけれども、市町との連携がうまくいっていないんだろうなという気がいたしております。 時間がない中で、共通して認識をともにして施策の役割分担をするというのは難しいかもしれませんけれども、そこはやはり限られた予算ですので、今まで以上の連携というものを期待します。それを要望しておきます。 (2)来年度予算編成方針について。 令和5年度の予算編成作業はこれからだと思いますけれども、来年度の収支状況をどのように見込んでいるのか、また、令和5年度当初の予算編成に当たり、新規や拡充事業の財源をどのように拡充していこうとしているのかをお尋ねいたします。 ○議長(中島廣義君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 9月に公表いたしました「中期財政見通し」の中におきましては、令和5年度における収支状況の見通しにつきまして、当初予算編成時に財政調整基金を一定取り崩すものの、年間ベースでは、財源不足は生じない見込みとなっております。 また、新規・拡充事業の財源といたしましては、予算編成方針におきまして、重点検討テーマへの施策の重点化を図るため、政策的経費にマイナス40%、固定的経費等にマイナス6ないし10%のシーリングを設定しておりまして、約15億円の財源を確保しているところでございます。 今後、長期化いたします新型コロナウイルス感染症エネルギー価格・物価高騰が本県財政に与える影響を注視いたしまして、地方財政対策等の動向も踏まえながら、効果的な事業構築ができるよう予算編成を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 限られた財源の中で新たな事業を展開していくという時に、今、総務部長が答弁されたように、新規事業というものをどうやって財源を確保するかというのが一番肝心だと思いますが、その財源の捻出の仕方については、今お話があったような中で、シーリングをかけながら新規事業の財源を捻出していくと。 ただ、今まで3割のシーリングだったものを4割のシーリングに改めた中で、かなり各部署に無理が生じているんだろうなという気がいたしております。 それと、私が問題意識を持っているのは、知事が令和5年度含めて力を入れたいという最重要テーマと重点テーマの4項目、このことに対して令和5年度は20億円の予算要求をして、それを多分15億円に絞り込むという作業をこれからやっていくんだと思いますが、そもそも、この重要テーマと重点テーマの4項目に今後どれだけ所要というか、額が要るのかということに対して庁内で把握ができていないという現状を考えた時に、知事が、この4年の任期の中で、1年目は当然前知事からの承継された予算を遂行していった。5年目から大石カラーが出る中で、残り3年間、少なくとも3年間で、このテーマについて、どれぐらいの事業費がかかるのかというところから、必要な令和5年度の予算額というものを決めていかなきゃ、大きな変化は出てこないと思うんですよ。 そう考えた時に、現状のような、先ほど総務部長が述べたようなシーリングを組んで財源を捻出して、その額の中で合わせてくるやり方は、一度改める時期なのかなと思っていますが、そういった意味において、財源確保の手法を、新たな財源手法を考えるということに対しては、どのようなお考えをお持ちですか。 ○議長(中島廣義君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) ご答弁いたしましたとおり、令和5年度の予算編成に当たりましては、政策的経費や内部管理経費等の見直しを図っているところでありまして、これによりまして、「新しい長崎県づくり」の実現に向けて必要な財源を一定確保できたものと考えております。 しかしながら、本県の財政は、自主財源に乏しく脆弱な財政構造にありますので、新規・拡充事業を構築するに当たりまして財源確保は非常に重要であるというふうに認識をしております。 そのためには、施策・事業の不断の見直しとか地道な取組の積み重ねが欠かせないというふうに考えておりまして、デジタル田園都市国家構想推進交付金など国の有利な財源を最大限活用しつつ、歳入・歳出両面から収支改善等を図るとともに、国に対しましても地方税財源の充実強化を強く要請するなど、持続可能な財政運営を目指して、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 私の言わんとするような答弁になっていないわけですけれども。 まず、4割のシーリングというものを、令和5年はこれで結構ですよ。しかし、職員、各部署もそれぞれ職員力はあるわけですから、そこにシーリングを4割としなくても、自然に淘汰されていきますよ。 そういう意識があるので、そこはある程度各部署に任せていいんじゃないのかという思いと、そうは言いながらも、部長の答弁のようなことを言われながらも、新たな財源を組んで集中的に事業をやっていくことが大事だと思うので、その際、どこを使うかというと、今現在やれるところは、基金をうまく使うしかないのかなと思っています。 使える基金としては、産業振興の文化基金ですね、それが今80億円ありますから、ここから取ること、それから、子育てとか。 例えば、政策の臨み方の中で民間を活用していくというか、民間と共同でやっていくことを知事が打ち出していますので、そういうことを考えた時には、この基金自体も、子育てであったり、そういった民間を活用するような環境を整えるような基金を新たに設置して、基金自体を組み直してやっていくべきだろうなということを提案しておきたいと思います。 それでも足りないとなれば、県債管理基金を一時的に借用するというのも一つの方法だと思います。総務省の通達の中で「厳に慎むこと」という通知が出ていますけれども、やったらだめだという話ではないのでですね、県債管理。 中期目標を見た時に、なかなか令和6年度以降に厳しくなってくるということですけれども、特に、長崎県の場合は、公債の20年債と30年債を、通常、国が支給する際は1対1で算定していますけれども、3対7で、20年債は3、30年債は7で組んでいますので、後年、償還の額が非常に大きくなってくるという懸念はあります。 しかし、400億円近く現在高があるという中でいけば、ここを一時的に切り崩すということを検討しても私はいいと思いますので、その点も今後ご検討してほしいということを要望しておきたいと思います。 2、人口減少対策について。 (1)特に人口減少が著しい離島対策について。 本県の人口減少は、平成27年の国勢調査においては137万7,000人でありましたけれども、令和2年には131万2,000人と、国立社会保障人口問題研究所の平成30年推計での2020年、令和2年、県全体での推計値132万596人との比較としてはマイナス8,297人で、ほぼ推計どおりで減少しています。 ここ5年間の人口の減少は6万4,876人、人口減少率は4.71%、この6万4,876人という数字をイメージするには、すみません、選挙区の県議会議員には大変失礼でありますけれども、佐世保から以北の平戸と松浦と佐々を合わせて6万7,000人ですから、それぐらいの人口が、この5年間で減ったというようなイメージを持ってもらいたいと思います。 離島については、全てが国立社会保障人口問題研究所推計よりプラス材料で、明らかにこれは平成29年に制定された有人国境離島法の効果が出ていると思われます。 しかしながら、離島の実際の人口減少率は、全体の減少率の4.7%と比較して、8.9%と非常に高く、減少対策は喫緊の課題であると思います。 そうした中で、11月には離島振興法の改正延長も可決されましたけれども、有人国境離島法も含めて有効な施策を最大限に活用しながら、今後、離島の人口減少に対して、どのような対策をとっていくのかについて、お尋ねしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 地域振興部政策監。 ◎地域振興部政策監(渡辺大祐君) 離島地域の人口減少対策につきましては、有人国境離島法に基づく国の施策を最大限に活用しながら、人口の社会減の抑制に積極的に取り組んでおり、法施行後の5年間で1,200人を超える新たな雇用の場が創出されたほか、一部の市町においては、人口の社会増を実現するなど成果があらわれてきているものと考えております。 一方、社会減対策として大きな役割を果たしてきた雇用機会拡充事業につきましては、島内事業者の活用が一定進んだことなどから、事業件数、雇用計画人数ともに減少傾向となっておりまして、今後も多くの雇用の場を創出していくためには、島外事業者のしまでの創業、事業拡大に向けて新たな施策を構築していくことが重要であると考えております。 他県の例では、新潟県佐渡市において、先輩起業家や専門家等と連携し、島外事業者に対する相談・サポート体制を構築しながら新たなチャレンジを呼び込む施策などに取り組むことにより、スタートアップ企業等の誘致や創業、事業拡大の増加につながっていると伺っております。 県としましては、こうした先進事例も踏まえつつ、来年度の重点施策として、新たなチャレンジができるしまづくりに向けた起業家の支援体制の構築や、先端技術等を活用した地域課題解決につながるビジネスコンテスト開催の検討など、先般、改正・延長されました新たな離島振興法に基づく関連施策も最大限に活用しながら、離島地域における人口の社会減の改善に向けて各種施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 答弁ありがとうございました。 佐渡の事例、私も勉強させていただきましたけれども、今、答弁に出てきた、事例として挙げたということは、そういった手法を来年度やるという理解でいいんですか。 ○議長(中島廣義君) 地域振興部政策監
    地域振興部政策監(渡辺大祐君) 来年度に向けて重点施策として、今申し上げました起業家の支援体制の構築、それからビジネスコンテスト開催の検討などを行っているところであり、そういった事業について、今後検討してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) やるという前提に立てば、やっぱりそこは私も勉強した中では、人材とかコンサルする方の手腕にかなり成否が託されると思うので、ぜひ優秀な人材を引っ張ってきていただきたいと思います。 (2)県・市の連携による取り組みの課題について。 それでは、そういったことで離島は頑張っていただくとしても、全県的に見た時に、以前から私は、市町との連携が足りていないという指摘をさせていただきました。具体に連携協定等も結ぶ中でやったらどうかという提案もしてきたんですけれども、今現在、人口減少を見た時に、まだまだ市町との連携が足りていないと思っています。 そういうことを踏まえたうえで、今後、市町との連携強化について、どういった対応をしていくのか、ご答弁をいただきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 県と市町の連携につきましては、市・町長の皆様との連携会議、あるいは市町支援チームの活動等を通じて施策の方向性を共有し、足らざる取組などについて議論を重ねながら、地方創生推進交付金等の財源確保の支援も含め、連携施策の構築にこれまで努めてきているところであります。 一方、人口減少をはじめとする様々な地域課題が顕在化する中におきましては、今後、民間企業が有するデジタル技術等を活用しながら課題の解決につなげていくなど、これまで以上に市町と民間企業との連携促進を図ることが重要になっていると考えております。 そのため、市町支援チームの新たな取組といたしまして、国や民間企業が運営する官民連携のためのプラットフォームを活用いたしまして、県内市町と都市部企業などとのマッチングを促す取組を開始したところであります。 今後は、こうした取組を通じまして市町とのより緊密な関係を築いていく中で、特に、人口減少が著しい市町につきましては、さらなる連携強化に向けて、新たな連携の枠組み等についても市町と協議を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) ぜひ、今の答弁のとおり推進してもらいたいと思います。 それで、社会減を減らすという中で、一つだけ気がけていただきたいと思っているのは、雇用がないからだという話の中で雇用の場をつくっています。 しかし、雇用をしても離職率が、これは県内も県外も全国的にそうでしょうけれども、非常に高い、3年以内の離職率が45%ぐらいあるという中で、その次の就職についてサポートしていくことが大事だと思っていて。 もちろん、一番最初の企業とのミスマッチの解消もですけれども、セカンドステージにいく時の就職をいかに県内企業と結びつけられるかといった時に、銀行の頭取と話したんですけれども、地元企業の特徴を銀行が一番よく熟知しているわけですよね。そうした時に、間に銀行を挟んで、セカンドステージに臨む時にミスマッチを防ぐような仕組みが何かつくれないかなと思っていたり、県外に残念ながら流出していった、出て行った若者と常に何か長崎県としてつなぎをつくっておいて、その人たちが仮に、3年、4年たった時に転職して長崎に戻りたいと思った時に、そこをつなぐような役割を銀行が果たせないのかなということも考えていますので、一旦、そういった新しい取組も含めながら、社会減の減少、それから雇用の創出に努めていただきたいということを要望しておきたいと思います。 3、産業振興について。 (1)県民所得向上について。 人口減少対策は、自然減対策と社会減対策に尽きます。社会減対策は、詰まるところ雇用の確保であり、所得向上を目指すことは当然でありますけれども、雇用について言えば、より良質な雇用が求められていると認識をいたしています。 チャレンジ2020で県民所得向上対策での所得増加額1,028億円は達成され、現在、2025年の目標831億円増に向けて取り組んでおられると思いますが、実態は、残念ながら全体としての県民の所得は、平成30年の266万5,000円から、令和元年は265万5,000円というふうに所得自体は下がっています。 前知事が掲げた県民所得向上の概念と取組手法は継続されるのか、また、今述べたように実態として所得が下がっているということであれば、そこに新しい視点が加わるのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 県民所得向上対策を通じました産業の活性化、あるいは良質な雇用の場の創出、こういったことは人口減少対策としても大変重要であると考えておりまして、引き続き、県民所得の向上には取り組んでまいりたいと考えております。 本県の県民所得の長年にわたります低迷につきましては、労働生産性や就業率の低さなどに起因したものと考えておりまして、これまで製造業、農業、水産業、観光業、サービス産業における収益性向上や競争力の強化などを図ってきているところであります。 令和5年度に向けましては、本県産業の強みである製造業におきまして、これまで培った技術力等を活かした新たな成長産業の育成と人材確保に力を注いでいくこととしております。 また、観光業、サービス産業も含め多様な産業分野でデジタル化やDXを推進し、さらなる生産性の向上を図ることとしており、一次産業におきましては、スマート技術の導入等により快適で儲かる産業づくりと移住等による担い手確保に取り組んでまいります。 さらに就業率向上に向けて、ダイバーシティ推進の観点から、女性や高齢者など多様な人材が働きやすい職場づくりを進めることとしており、今後とも、これまでの実績をしっかりと検証しつつ、社会環境の変化に対応しながら関連施策の充実、強化を図り、県民所得の向上を目指してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 全体としての取組は、今おっしゃったようなことをさらに推進していただきたいと思います。 (2)各産業分野別の所得向上実績と課題認識並びに人材育成について。 ちょっと細部に入っていって、各産業別の所得の向上実績と課題の認識、そして、どの業種においても人材の確保が今後、大変重要でありますので、その点について、ご答弁いただきたいと思います。 時間の関係上、一次産業については、農業については、産出額、所得、新規就農とも非常に順調な数字が出ていますので、水産業について、並びに製造業と併せて基幹産業である建設業については、担い手不足が深刻化しているという話も聞きます。まちづくりや防災においても、なくてはならない業種でありますので、建設業についてもご答弁いただきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 水産業におきましては、平成27年度から、漁業者の経営強化や改善に向けた個別指導を中心に各種対策を進め、漁業所得の向上に取り組んできたところであります。 この結果、近年、漁業者の平均所得は増加傾向にあり、中でもスマート技術を活用した最先端の漁労機器などの導入で生産性の向上を図った経営体の平均所得は、1.3倍と大きく増加しております。 一方で、水産資源の動向や燃油をはじめとした物価高騰の影響もあり、漁業経営は不安定な状況にありますので、今後とも、操業の効率化やコスト削減に向けた水産業のスマート化を推進し、所得向上を図ってまいりたいと考えております。 さらに、子育て世代の漁業者の所得を安定的に確保することが、漁業や漁村地域への定着化や人材確保につながると考えており、新たな漁法にチャレンジする若手漁業者への支援などを検討してまいります。 ○議長(中島廣義君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 本県製造業の県民所得向上対策の実績につきましては、本年5月に公表しました令和元年度の実績値において、基準年である平成27年度から514億円の増加となっており、目標の255億円増を大きく上回っている状況であります。 また、本県製造業の現状については、半導体分野で規模拡大が続いているほか、造船業についても商船関連が改善傾向にあるうえ、成長が期待される環境多様船に向けた動きが出始めるなど具体的な需要拡大が見込まれる状況になっております。 一方で、長引くコロナ禍や物価高騰の影響により、いまだ厳しい状況にある製造事業者に対し、幅広く波及効果が及ぶような取組が必要と考えており、県内事業者がしっかりと需要を獲得できるよう、設備投資への補助や産業振興財団による取り引きマッチング等の活用を促すなどの支援をしてまいります。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 建設業においては、県で市場の賃金実態を的確に把握するための公共事業労務費調査を毎年行い、その結果、主要12業種の公共工事設計労務単価が、ここ10年で1.6倍に上昇し、毎月勤労統計でも建設業の給与は増加傾向を示しています。 しかしながら、建設業就業者の約50%が50歳以上と高齢化が進んでおり、今後、この世代の大量退職により、インフラ整備や維持管理、災害時の応急対応などが影響を受けるおそれがあり、県としても危機感を感じています。 このため、これまでも建設業界とともに、学校を巻き込んだ人材確保対策や若手技術者の育成、定着などの取組を行ってきました。 さらに今年度は、働き方改革、生産性向上、多様な人材の確保と育成、定着をテーマとした経営者の意識改革を促すためのセミナーを10月に開催し、来年1月にも2回目のセミナーの開催を予定しています。 今後とも、建設業界と連携し、将来の建設業を担う若者の就職や定着につながる取組を充実、強化してまいります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) それぞれご答弁ありがとうございました。 水産業に関して、部長の方で、特に、子育て世帯がきちんと生計が立てられるようにというお話だったと思うんですけれども、知事、これはご認識いただきたいんですけれども、漁業者の中で「浜の活力再生プラン」というプランを立てながら所得を上げていっています。そうした中で令和2年の実績としては257万円、令和3年が274万円です。浜プランに参加している経営体数が6,000あるうちの3,500、半数以上、ただ、半数以上が参加しているこの浜プランですけれども、274万円なんです。 そうした時に、274万円の所得を得るためには、水揚げとして3倍近い1,000万円近くを水揚げしなきゃいけないと考えた時に、やはり新規就業を考えた時に水産業に目がいくかというと、なかなか厳しいと思うんです。将来の自分たちの人生の設計が立たないんじゃないかと思っていて。 現実、新規就業は増えていっていますけれども、3年で3割の方が離職しています。そう考えたうえで、じゃ、何ができるかとなったら、やはりまず喫緊として、農業にあるような着業してから5年間の所得保障というものが必要だと思っていて、毎年、水産庁に県としても要望しておりますけれども、このことについて力をもっと入れて要望してほしいと考えています。 全体的に、事業を執行する中で令和4年度の農業と水産業の予算額を比較すると、農林部は林業を除いて当初予算が219億円に対して水産部が139億円、公共が入る6月補正が入って全体通していけば267億円と213億円とそう違いはないんですけれども、当初予算で219億円と139億円と差がついていますので、水産についてもやはり事業予算というものをしっかり確保していただきたいということを要望しておきたいと思います。 製造業については、部長の答弁のとおりでありますけれども、短期的に言えば、まず造船業の設備投資と人材の育成を図っていただきたい。それから、次には企業の誘致と既存産業、地場企業の底上げと振興を、産業振興財団等も活用しながら図っていただきたいということを要望しますし、その先には、新たな新産業をやっぱり本県で立ち上げていくということが課題であると思っております。 建設業につきましても、答弁にあったとおり、就労する人もこの10年間で3万人かな、平成12年と比較して3万人ぐらい減っておりますし、50歳以上の年齢構成も、令和2年で54%というふうに非常に厳しい状況になっております。 所得について言えば、これは細かな話になりますけれども、最低制限価格を上げてほしいと言った時の部局の考え方としては、業界として担い手アクションプランを立てて、給料を3年で5%アップしてほしい、4週8休を目指してほしい、採用を増やしてほしいということが条件だったと思いますが、その条件は、ほぼほぼ今クリアできていますので、最低制限価格の見直しについても、今度の所管の委員会等で議論をしていただければ幸いであります。 いずれにいたしましても、有効的な施策を打ちながら所得向上に努めていただきたいと思います。 (3)地場企業における資金繰り・物価高対策について。 依然厳しく長期化が懸念されている中で、既に147億円の補正予算を組み、実行されていますが、十分ではないという認識を持っています。時間をおかず追加支援が必要と考えますので、先だって9月、「長崎県緊急経済雇用連絡会議」も設置しておりますが、今後の取組について簡潔にご答弁いただきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 本年9月9日に開催しました「緊急経済雇用連絡会議」においては、「幅広い業種で経営環境が厳しくなっており、このような状況が続く可能性もある」ことや、「さらなる金融支援の強化が必要」などの意見が出されるとともに、関係機関連携のうえ、県内事業者支援に取り組んでいくことを確認いたしました。 また、県では、中小企業経営安定対策連絡会議や商工団体との意見交換等を通じて、より現場に近い声をお聞きするよう努めており、ここでいただいたご意見等も踏まえたうえで、緊急資金繰り支援の融資枠を拡大するとともに、省エネ設備導入支援をより活用しやすい制度に改めたところであります。 引き続き、これらの支援が事業者の皆様へ確実に届くよう取組を進めるとともに、今後とも、原油価格・物価高騰の影響をしっかりと把握し、国の有利な財源等を活用しながら、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) サッカーが勝った割には、あまり前向きな答弁が出ていないんですけれども、ぜひ、今から後半に入りますので、前向きな答弁をお願いしたいと思います。 4、コロナ禍での通常医療への影響並びに今後の取り組みについて。 (1)コロナ禍での通常医療への影響について。 先ほど述べましたように、3か年のコロナ禍の中で、医療を取り巻く環境や県の医療に関する施策や事業に対して大きな影響が出ているものと思われます。 県として、特に懸念される内容について、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した第7波においては、通常医療についても一部の医療機関において制限を余儀なくされるなど、影響が生じてきたところです。 今後、感染拡大時においても、通常医療への影響を最小限に抑えるため、各医療機関から現状をお伺いしたうえで、11月28日には保健・医療提供体制確保計画を見直し、コロナ受入医療機関の分散化や、柔軟で効率的な病床運用に取り組んでいるところです。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) (2)感染症法での「2類相当から5類への引き下げ」について。 そのうえで、本来だったら9月定例会で少し議論させてもらいたかったんですけれども、全国の県議会の中でも9月定例会の中で、感染症法について、2類から5類への引き下げに対して意見書を出した県議会が幾つかあります。 私の周囲でも、2類相当から5類に引き下げるべきだという意見も多く聞かれる中で、先だっての知事会においては、引き下げのロードマップを示すよう国に対して働きかけを行ったと聞いております。 第8波に入った中で、非常にタイミング的には現実的ではないかもしれませんが、今の部長の答弁から、今後について、しっかりした体制がとられるということであれば、この2類相当から5類への引き下げというのは妥当な判断だと思うんですが、先だって、国においても検討に入るというような記事も見ましたけれども、このことについて所見と、もし、引き下げるということになった時に懸念されるような課題等があれば、そのことについて、ご答弁いただきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 現行法の5類感染症と同様の扱いとなった場合には、コロナに対応する医療機関が限定されず、通常の医療機関で発熱患者の受診が可能となります。 一方で、地域ごとの感染状況の把握方法の確立やワクチン接種の取り扱い、保険診療による自己負担の発生など、5類移行には整理すべき課題があると認識しております。 県では、5類相当に移行した場合も想定したたうえで、コロナ医療と通常医療との両立を目指して、診療・検査医療機関やコロナ病床を有する医療機関の拡充や見直しを進めてきたところであり、国の動向を注視しつつ、引き続き対応してまいります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 28日の地元紙に、県の保健医療提供体制確保計画の見直しが発表され、発熱1万人でも診療、入院できる見込みとなったと。11月18日で609施設、さらに、県の受診相談センターからの照会が可能な施設は約4割から7割に増えたというような記事を見ました。 皆さん方の努力の結果だと思いますので、今の答弁も含めて、関係機関の理解を得ながら、さらなる医療体制の充実に努めていただきたいということを要望しておきます。 5、佐賀県との連携について。 (1)知事の目指す佐賀県との連携について。 先だっての議会、さきの質問において私からは、佐賀県との連携を強化すべきということで、道州制への知事の認識並びに、現実的ではないかもしれませんが、自治法上においては県と県の合併が可能であるということ、そして佐賀県との合併について、どのような考えを持っているのか、合併というよりも連携のあり方について、どう考えるかということを質問させていただきました。当時の知事も、連携強化に向けては、しっかり頑張っていきたいということでありました。 今現在、佐賀県は知事選挙があっていますので、どの知事が対象ということでは議論はしづらいところでありますけれども、佐賀県との連携を強化するという点においては、私自身もだし、知事においても方向的には同じだと思っていますので、改めて大石知事に対して。 今現在、私が連携を見ていて、平成27年の5項目の連携協定の中でやっていますけれども、さきにも指摘したように、まだ、この5項目以外にもいろんな分野で連携ができると思っています。 しかし、佐賀県の現知事は、まずはこの5項目に絞って連携を深めたいということですので、それでもいいと思うんですけれども、各担当部署同士が今、佐賀県とつながっていく中で、これもやれる、あれもやれる、もしくは令和5年度の当初予算にこういう事業を計上したいというのがあると思うんですよ。しかしながら、やはりトップ同士の連携を再確認して、そこをトップダウンで落とすというような手法も含めてやっていかないと、なかなかそういった事業には踏み切れないという思いがあります。 そういうことも踏まえまして、知事に、今後の佐賀県との連携について、どのような可能性があるのか、そして、私が言ったような佐賀県の知事との改めての連携協定を結ぶような意思があるのか、確認したいと思います。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 佐賀県との連携については、平成27年度に、地方創生に係る連携協定を締結しまして、県境地域の振興や国内外からの観光誘客などについて連携して取り組んでいるところでございます。 こうした中で、私も知事就任以来、佐賀県の山口知事とは積極的に対話を重ねて、関係構築に努めてまいった次第でございます。 去る9月23日には西九州新幹線が開業いたしまして、現在もデスティネーションキャンペーンの展開がなされています。また、日本遺産肥前窯業圏の周遊観光など、佐賀県とも連携をして誘客促進に取り組んでいるところではございますけれども、これらの取組が一過性にならないように、さらなる交流人口の拡大に向けた両県の連携、協力は一層重要になると、そういうふうに認識をしております。 現在、佐賀県との連携に当たりましては、企画担当部門間で協議の場も設けておりますので、そうした場も活用しながら、先ほど議員もご指摘のとおり、広い分野で、様々な分野で広域連携のメリットが期待できるように、さらに連携を深めていけるように、県と協議をしてまいりたいと思いますし、私、知事としても、トップ同士でしっかり、そういった関係がさらに深化していけるように尽力していきたいというふうに思います。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 知事の答弁を了としますし、トップ同士でも頑張っていただきたいと思っています。 それで、観光とか物産を見た時に、今の現状を見た時に、緩やかな連携になってしまっていてですね。仮にこれから観光とか物産を関西圏とか関東圏に売り込む時に、もっと連携を強化して、事業も進化させて攻撃的に攻めていくことが大事だと思っていますので、それをするためにも、今知事が言ったような佐賀県知事との認識の共有というものは大事だと思いますので、しっかりと努めていただきたい。もちろん新幹線も含めてでありますけれども、期待をしております。 6、長崎市内のまちづくりについて。 (1)長崎駅周辺整備について。 長崎市が主体で進めている長崎駅周辺土地区画整備事業については、令和7年度に完成しますが、全体の事業費約160億円のうち、県はこれまでに約8億7,000万円を拠出し、今後、1億8,700万円の負担が発生すると報告を受けております。 新幹線開業後の長崎駅周辺整備について、今後、県として、どこに力を入れて取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 長崎市中心部のまちづくりについては、平成22年に、「平和と文化の国際交流拠点都市 長崎の再生」を目指すため、「長崎市中央部・臨海地域」都市・居住環境整備基本計画を、県と長崎市が共同で策定しています。 この計画に基づき、長崎駅周辺エリアの整備計画を平成25年に策定し、さらに、長崎市中心部の交通結節機能強化の基本計画を令和2年に策定しました。 県としては、9月に電停のエレベータを供用開始しており、現在、駅前バスターミナルの再整備や分散している路線バスのバス停の集約の検討を進めているところです。 さらに、今後、元船・出島方面と駅とを結ぶ歩行者動線を強化するため、南口改札や歩行者デッキの必要性について、長崎市とともに検討を進めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 長崎市議会の中でも声が出ておって、民間の中からもそういった要望というか期待があるんですけれども、水産物を売るような場所がなかなか長崎にないという中で、担当部局とも少し打ち合わせをさせていただいておりますけれども、この県庁の前の旭大橋の下のところ、県営バスが令和5年度で撤退というか、あそこから退去されるという中で、ここの活用が一つのキーだと思っているんです。水産物に限って言うんじゃなくて、ここを有効活用するという意味において。 この都市計画道路浦上線の地下化が計画される中で、旭大橋を低床化するという話も出ていますけれども、都市計画を定めていないので、まだ15年、20年先の話、実際にやったとしてもですね。 であるとするならば、10年とか期間を区切ってでもいいので、この前の土地を有効的に活用すべきだと考えております。所見を問いたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 旭大橋周辺では、将来的な旭大橋の低床化を見据えて都市計画道路浦上線の地下化が計画されており、高架下の道路区域や道路予定区域、都市計画決定区域など、土地利用に当たっての制限がかけられています。 旭大橋は、架設から40年が経過していますが、適切な維持管理を行い健全な状態であることから、架け替え等による低床化は長期的な取組となります。 現在、旭大橋の下は、新幹線工事や駅ビル工事に伴う代替施設として、暫定的に駐車場として利用を許可していますが、短・中期的には有効活用をすべきと考えています。 利活用に当たっては、まずは公共的、公益的な利活用策について検討を行い、公共側での利活用の可能性がない場合は、まちづくりや賑わい創出の観点から民間事業者での利活用も視野に入れた検討が必要であると考えていますので、今後、関係部局と連携し、利活用に向けた検討を進めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 遊休地の活用の手順としては、まず庁内において、該当の市も含めて公共的に利活用できないのか、それがなければ民間に出すといった手順は共通だと思います。 ただ、民間でやる事業で公共的、公益的なものもあるわけですから、そこはフラットに考えていただいて、自分たちで全て活用することが大前提ではないというところで進めていただきたいと思っています。 それで、駅の区画整理について一言だけ意見を述べさせていただければ、私は市議の時にこういう質問をさせてもらったんだけれども、人口減少が進んでいく中、社会環境が変わる中で、区画整理の規模感というものは、やはり随時見直していくべきだと思っていて、それに対しては長崎市も、当然そういうことも踏まえて見直しもあるんですよという答弁を当時にいただいていました。しかし、今現在の姿を見た時に、予定どおりというか、当初の計画どおりに進んでいるんですけれども。 私の問題意識としては、駅の前というのはあくまで陸の玄関口であって、長崎市の発展を考えた時には、まちなかの回遊を推進すべきだと思っています。しかし、今の開発は、あたかも駅周辺のみで経済活動が完結できそうな勢いの開発となっているんだろうなというふうに認識しています。 それで、担当部署を通じて長崎市に、アミュができたりスタジアムシティができた時に、商業の売り場面積がどう変化するのかということを問い合わせてもらったんですけれども、平成29年の国による統計が終わったので、長崎市は全くデータを持ち合わせていないんです。 そうした中で、アミュは倍になります。スタジアムも1万平米ぐらいの規模になるという中で、長崎市の人口を考えた時に、面積当たりの売上単価からすると、200億円か300億円近くの、300億円後半ぐらいの売上がこの2つの施設で出るだろうと言われている中で、この長崎市の発展を考えた時に、果たしてそれでいいのかということは、いま一度検討すべきだと思っているんです。 これを、長崎市の問題だからということじゃなくて、県としても一緒になって開発しているという認識があるのであれば、ぜひ今からでもいいので、県が直接関わることはできないかもしれませんけれども、例えば、さっき言ったように商業面積すらわからないと長崎市が言っているのであったら、商業面積とか業種の分類ごとの売上の動向、購買力、自治体の圏域をまたいだお金の循環等について、モニタリング的な調査を県が率先して行っていただいて、市にその情報を提供していただきたいということを要望しておきたいと思います。 県は、過去において、そういったモニタリングをやっていますので、再度、この時期においてそういった調査をやっていただいて、長崎市に対して問題提起としての投げかけをしていただきたい。 そして県としては、やはりここが玄関口であって、まちなかに回遊するんだといった基盤整備であったりソフト事業の展開といったものを期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (2)県庁舎跡地活用について。 県庁舎跡地活用については、昨日も質問が挙がっていました。移転後、時間をおかずに賑わいを形成したいという当時の知事や市長の答弁からすると、今を見る中で行政の責任は重たいと思います。 タイムスケジュールも示していただきたいんですが、昨日、お話が出ていたので、そこは省略させていただいて、整備計画が、基本構想がまとまってきた中で、一つ提案したいのは、県民が学ぶ場所、リカレントであったりリスキルの場をぜひ設置していただきたい。 長崎大学のまちなかへの移転の可能性も、先日、新聞等で見ましたので、そういったところともリンクしながら、若者が学べる場、若者というか全ての世代が学べる場というものを、この中で位置づけていただきたいと思いますが、その点については知事の答弁を求めたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 県庁舎跡地整備基本構想におきましては、海外等との交流によって異文化を融合させ、新たな価値を創造、発信してきたこの地の歴史を踏まえまして、多様な交流を促進する「交流支援機能」を柱となる機能の一つとして掲げています。 この「交流支援機能」の具体化に向けましては、多様な人材が集い、学び、ディスカッションするなど、新たなつながりをつくる場とともに、そのサポート機能や研修、講義スペース、映像設備、通信機能等を備えたプレゼンテーションスペースなどの整備を検討してまいりたいと考えております。 また、県警本部跡地におきましては、産学官等の連携によってオープンイノベーション等を推進するため、異業種、異分野の方々が気軽に集えるスペースや交流サロンなどの整備を検討することとしています。 県としましては、このような「交流支援機能」の整備を通しまして、ご指摘のリカレント教育など社会人の学習の場も含めまして、多くの県民の皆様が集い、様々な学びに触れていただける環境を整えてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 知事が答弁したようなことで、構想も何か計画の中に入り込むということであれば、ぜひ。 特に、県警跡地は、すぐに今からでも手をつけられる状態なので、一体的な計画の推進というのはわかりますけれども、県警跡地を拠点として、今のようなところを先行して、前倒しして、一年でも早く姿を見せてほしいということが切なる願いでありますので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。 それと、コロナ禍の中で、先に長崎市のくんち展示が出島メッセでありましたが、非常に賑わっておりました。市民の方からもよかったという声を聞く中で、市議会の中でも、県庁舎跡地にくんちの資料館をというような意見も出されております。 長崎市だけのお祭りとか、くんちの資料館というものを県庁舎跡地につくるということは、なかなか県としては難しいと思いますけれども、昨日、国民文化祭の話も出ておりましたが、本県の文化、伝統芸能という形でいけば、そういった資料館があってもいいんだろうなと思います。 もし、そういうことで許されるのであれば、あの土地の歴史を考えた時に、南蛮船の来航の波止場跡でありますので、来航船であったり出航船であるような御朱印船の展示の分館等は可能性があるんだろうなというふうに私は思っていますので、そういった文化の情報発信、伝統芸能の情報発信の拠点というところも計画の中に組み込んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。 (3)都市計画道路長崎時津縦貫線松山IC渋滞対策と松山陸上競技場について。 この件については、先日の私の質問の中でも質疑をさせていただきました。インターチェンジについても松山陸上競技場についても、市民の方から様々な意見が出ている中で、インターチェンジの渋滞対策について、今般はどう対応されるのか、質問をしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 松山インターチェンジについては、周辺道路の交差点解析の結果を踏まえ、設置が可能であると判断したことから、昨年11月に都市計画決定を行っています。 一方、長崎市において、当インターチェンジ周辺の既存スポーツ施設に係る再配置の検討が進められていることから、並行して周辺道路への影響の精査を行っているところです。 引き続き、長崎市や関係機関と綿密に協議しながら検討を進めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 今答弁がありました松山の陸上競技場がどうなるのかというところも含めて、私は、前回質問した時に、都市計画決定以前に、そういった再配置の計画まで選択肢を幾つか出して住民説明会の中で説明をしながら進めていき、そこで了承が取れたら都市計画を打つべきだというふうに意見をさせていただきました。 このインターチェンジ対策も同様でありまして、今からいろんなことを検討していくということですけれども、じゃ、なぜ、あそこなのかということは非常に疑問なんです。私も地元に住んでいますけれども、渋滞を起こすことはもうまぎれもないことで、市道等の拡幅も必然として多分出てくると思います。 そうした時に、インターチェンジが本当に必要であるならば、茂里町側に張り出すようなこともあってよかったと思うんですけれども、多分これは、長崎市がプールを建替えたいというような考えもあって、あそこになったんじゃないかと穿って見てしまうんですよね。 そう考えた時に、遊泳協会として100年以上の歴史を持つ方々が、ボランティアとして子どもたちに水泳を教えている、その施設が残っていくことはとても大事なことだと思っていますが、地元からすると、あそこにインターチェンジができること、松山陸上競技場の存続が危ういということは、なかなか理解できないというか、それはちゃんとしてくれというふうなことにしかならないんです。 県として、県の事業ですから、道路は、ということであるならば、市民プールの代替地も、市の中だけで考えるんじゃなくて、県の土地も含めて検討すべきですよ。 そうなった時に、私が提案しているのは、交通公園でいいじゃないですかと、9,600平米、そして市民プールの面積もほぼ同程度です、ならば。 もう今日は答弁は求めませんけれども、あの公園も必要だというような考えを行政側は示されていますけれども、そこも含めて検討していただきたいし、今の住民の方々、そして高校生や中学生のスポーツの練習場としてある松山陸上競技場を残すんだということを前提に、今後、長崎市と協議をすべきだと私は思いますけれども、なぜ、インターチェンジにしても、市民プールの移転にしても、きちんと協議というか、案を作った後、都市計画道路にしなかったのかについて、改めて答弁してください。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 実際にどこにインターチェンジをつけられるかという物理的な観点も非常に重要な要素になっておりまして、茂里町側にインターチェンジをつけられないかということにつきましても事前に十分に検討は行っております。 仮にそういうことをするとするならば、かなり大規模な既存の建物の建替え、移転補償、そういったことも発生することが事前に想定されておりました。 また、事前にこのルートの案をつくりまして、地元に対しても説明会等を何回も実施させていただき、意見を取りまとめたことで都市計画決定に至ったものと考えております。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 説明会の話をるる話していくと時間が足りないので、この場では申し上げませんけれども、そんなやりとりはできていないですよ、できていないと私は思います。議事録等も見る中でですね。 で、やはり思うことは、どう言えばいいのかな、市民プールを壊してまで、あそこにインターチェンジが必要だったのかということと、長崎市の事情の中で市民プールを建替えたいという利害が一致して、あそこになったというふうにしか私は思っていないんです。 そうでなければ、そもそもの都市計画道路を高架じゃなくて地下に潜らせることだって可能じゃないですか、可能性としてはですよ。 ただ、いろんな事業費とか事業期間とか考えて、今のが最善であるということで提案されていると思いますけれども、しかし、地元において、これだけの反対が出ている、これだけの懸念が出ているということは、「都市計画が出たから、もう進めます」という県の姿勢ではなくて、長崎市と一緒になって、どうやって、そういった諸問題を解決するのか、また、着地点を見出していくかということについては、県としても積極的に関わっていくということを、この場でお約束してほしいと思います。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 今後の事業の進め方につきましては、公園利用関係者、それから地域の方々とも丁寧に議論を進めて行っていきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 前田議員-31番。 ◆31番(前田哲也君) 終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(中島廣義君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。     -午前11時1分 休憩------------------------------------     -午前11時15分 再開- ○副議長(山口初實君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 自由民主党、島原市選出の山本由夫でございます。 私からは、8項目について、一括方式で質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 1、島原半島に関する重要なインフラ整備の状況について。 (1)島原道路について。 高規格道路島原道路は、地理的条件に恵まれない島原半島地域の振興や災害、急患時の緊急搬送など、島原半島の生命線となる極めて重要な道路です。 本年5月の長野栗面間の開通により、全50キロのうち22キロが供用され、また、国直轄の森山拡幅を含め、4工区について、目に見える形で順次工事が進んでおり、早期の完成に向けて地元の期待も高まっています。 そこで、現在の進捗状況と今後の整備への取組、部分開業の見込みについて、知事にお伺いします。 (2)農地の基盤整備事業について。 農地の基盤整備は、農家の所得向上を通じて農業並びに農村地域の振興を図る、非常に重要な事業です。 特に、島原半島は、農業産出額が県全体の4割を超える県内随一の農業地帯であり、基盤整備事業によって所得の向上、後継者の定着、地域の活性化などの好循環が生まれており、その効果と重要性を強く認識しているところです。 そこで、島原半島、特に、島原市における農地の基盤整備の実施状況と今後の新規地区の予定について、お尋ねします。 次に、農地の基盤整備事業を計画的に進めていくためには、まず、国において農業農村整備事業予算がしっかり確保されることが重要です。 また、県においても、令和4年度は関係者のご尽力により、地元の要望に応え得る106億円を満額確保できましたが、今後とも必要額が満額確保されることが不可欠と考えます。 そこで、令和5年度の国の概算要求の状況と本県の予算確保に向けた取組の状況について、お尋ねします。 2、島原鉄道への支援について。 (1)地域公共交通としての支援について。 島原鉄道は、100年以上にわたり地域住民や観光客などの移動手段として諫早市から島原半島を結ぶ鉄道であり、島原半島に必要不可欠な公共交通機関として地域の振興に大きな役割を果たしています。 この間、人口減少、少子・高齢化などの社会情勢の変化や普賢岳噴火災害、コロナ禍と度重なる苦境の中、経営の合理化をはじめ、営業努力を重ねています。 国や県、市においても、鉄道の施設整備補助、運行費への補助等に加えて、コロナ感染症や燃油高騰に対する支援金など事業継続のための様々な支援を実施されていますが、大変厳しい経営状況が続いています。 こうした中で、国は、全国各地のローカル鉄道における危機的な状況を踏まえ、本年2月に、「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」を設置し、7月には、「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道のあり方に関する提言」を取りまとめ、国や地方自治体の関与、支援のあり方、具体的方策など取り組むべき方向性が示されたところです。 これを受けて、県では、「長崎県地域公共交通活性化協議会」の下に「島原鉄道活性化検討部会」を設置して、島原鉄道沿線地域の公共交通のあり方について検討していくことになり、11月24日に第1回の会合が開催されました。 そこで、この検討部会の内容とスケジュールなど、今後の取組について、お尋ねします。 (2)観光面での支援について。 島原鉄道では、新幹線開業による県内や熊本県、福岡県との周遊きっぷ、観光列車カフェトレインやサイクルトレイン等の導入、関連グッズの販売など観光面の取組にも力を入れています。 特に、カフェトレインは、話題のスポットや地元の食材を利用した料理など、列車そのものが観光メニューとなっていて、高い観光消費効果が期待されます。 ただ、厳しい経営環境の中、新たな投資余力は乏しい現状です。 そこで、こうした取組についての支援もお願いしたいと思いますが、県では、観光面でこれまでどのような支援を行い、また、今後どのような支援を行っていかれるかについて、お尋ねします。 3、観光振興について。 (1)有明海航路を活用した九州周遊観光について。 西九州新幹線の開業によって、九州では、九州新幹線鹿児島ルートと西九州新幹線の2つの路線が海を挟んで走る形になりました。そして、それをつなぐのが有明海航路であり、この航路を活用することで、2つの新幹線を使って九州を周遊するコースができます。 そうした中、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」が、来年1月から雲仙コースとして、この有明海航路を使って九州を周遊することになりました。 ななつ星は、全国的にブランド力の高い列車であり、その運行は、有明海航路を使った九州周遊観光にとって大きなPR効果があると期待をしています。 そこで、この機会を捉え、県としても、有明海航路を活用した九州周遊観光による誘客に、これまで以上に取り組んでほしいと思いますが、県のこれまで、そして今後の取組について、お尋ねします。 4、食育について。 (1)フードバンクの現状と課題について。 フードバンクは、「食品ロス問題」と「貧困問題」という2つの問題を背景に活動を行っていて、こうした社会課題に対する取組は、SDGsが掲げる複数の目標に直結しており、食品ロス削減推進法においても必要な施策を講じるものとされています。 国の「第4次食育推進基本計画」でも、フードバンクなどと連携し、子どもの食事、栄養状態の確保、食育の推進に関する支援を行うとされています。 そこで、本県におけるフードバンクの現状と課題について、お尋ねします。 (2)子ども食堂の現状と課題について。 子ども食堂は、子どもにとって貴重な共食の機会の確保、地域コミュニティの中での子どもの居場所の確保、提供などの意義があり、食育推進においても重要な役割を果たしています。 現在、県内各地でボランティアの方などによる子ども食堂が運営されており、先日、県では、県内子ども食堂に対するアンケートを実施されたと聞いています。 そこで、県内の子ども食堂の現状と課題について、お尋ねします。 (3)学校給食における郷土料理の提供について。 「第4次長崎県食育推進計画」では、郷土料理や地産地消への関心を高めるため、学校給食に地場産物を使用し、新鮮な食材の確保や郷土料理のメニューを取り入れながら、児童生徒の郷土に対する愛着や理解を深めるとされ、「県内まるごと長崎県給食」などの取組が行われていることは承知をしています。 一方、昔は家庭でも郷土料理を食べることがありましたが、最近は家庭ではそういう機会は少なくなっているようです。 そこで、学校給食において、県産の食材だけではなく、郷土料理自体の提供の状況はどうなっているのか、また、自分の市町だけでなく、長崎という自分の県を知る意味で、こうした郷土料理を県下の市町で一斉に提供するような取組を広げられないか、教育委員会教育長にお尋ねします。 (4)食育推進全国大会の開催について。 昨年の一般質問で、食育を県民運動として展開する大きな契機とするために、食育推進全国大会を本県で開催してはどうかと提案をしたところ、「検討していきたい」との前向きな答弁をいただきました。その後、県民生活環境部長も本年、愛知県で開催された全国大会に出席されたと聞いております。 そこで、食育推進全国大会の開催に向けた検討状況について、お尋ねします。 5、地域包括ケアシステムについて。 (1)県内の構築状況と充実に向けた今後の取り組みについて。 高齢者の方が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムについて、本県では、国の目標より2年早い2023年度に県内全市町で構築しようと、長崎県版の評価基準を基に取組を進めています。 そこで、まず、昨年度の地域包括ケアシステムの県内の構築状況について、お尋ねします。 一方、現在の評価基準は、ケアの体制などの基盤を評価する指標が多いことから、県では、新たな指標を設定して、地域包括ケアシステムの構築の段階から充実へとステップアップを図ろうとされています。 そこで、地域包括ケアシステムの充実に向けた今後の取組の内容について、お尋ねします。 (2)成年後見制度について。 成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な人を後見人などが代理をし、必要な契約を締結したり、財産を管理したりして本人の保護を図る制度で、高齢者等の自立した地域生活を支援する成年後見制度は、地域包括ケアシステムにおいても重要な役割を担っています。 ただ、厚生労働省の推計では、認知症高齢者約600万人に対し、成年後見制度の利用者は24万人、4%に過ぎず、利用が進んでいません。 そこで、本県の成年後見制度の利用の状況と、制度の活用に向けた県及び県内市町の取組、課題について、お尋ねします。 6、長崎県動物の愛護及び管理に関する条例について。 (1)今後の取り組みについて。 本県では、「動物愛護管理法」及び国の指針に基づき、平成20年に「長崎県動物愛護管理推進計画」を策定し、動物愛護推進協議会の設置、動物愛護情報ネットワークの開設、野良猫の不妊・去勢手術費の助成などを行ってきました。 こうした取組やボランティアの方による地域猫活動などによって、本県の犬猫の殺処分数は近年減少傾向にあり、令和3年度は前年度比30%減の1,363頭と大幅に減少しましたが、殺処分数が全国でも上位という状況は変わっていません。 そこで、この問題の解決に向けて、動物愛護管理だけでなく、生活環境の保全などの観点を含め全県的に推進するために、県、市町、県民が一体的に取り組む「長崎県動物の愛護及び管理に関する条例」が本議会に上程されています。 知事も、犬猫の殺処分ゼロを目指し、施策を強化される方針と聞いています。 そこで、この条例を本県の課題解決に向けて実効性のあるものとするために、具体的に今後どのように取り組んでいこうとされているのかをお尋ねします。 (2)地域猫活動への支援について。 本県の犬猫の殺処分件数の約8割が猫で、殺処分数を減らすためには、特に、猫のひき取り件数を減らすことがポイントであり、その有効な方法の一つが地域猫活動です。 本県にも地域猫活動を行っておられるボランティア団体などが幾つもありますが、無責任に餌やりを行っている人と誤解をされて、非難や通報をされるなど地域の理解が得られないことや、不妊・去勢手術、管理のための費用負担など、その活動に大変な苦労をされており、こうした活動に対するさらなる行政の支援が必要だと考えます。 本県に先立ち、長崎市では今年7月から、「長崎市動物の愛護及び管理に関する条例」が施行されました。 この条例には、「地域猫活動に係る支援」という条文が設けられており、さらに、「飼い主のいない猫への給餌等に関する基準」が明記されるなど地域猫活動について詳細に規定されていますが、本県の条例には、そこまでの記載はありません。 そこで、今回の条例制定によって、今後、県として、地域猫活動への支援に具体的にどのように取り組んでいこうとされるのか、お尋ねします。 次に、地域猫活動の支援に関する財源についてですが、本県では、今年4月からふるさと納税のメニューに「ながさき犬猫殺処分ゼロプロジェクト」が創設されました。 そこで、このふるさと納税のメニューの現在までの実績と使い途、今後の財源確保に向けた取組についてお尋ねします。 7、国民保護訓練について。 (1)令和4年度長崎県国民保護共同訓練について。 先月6日、島原市において、令和4年度長崎県国民保護共同訓練が実施されました。 これは、武装勢力が島原市に潜伏しているとして、国が緊急対処事態に認定し、島原市民の地域外への避難を実施するという想定で行われたもので、国、県、市などによる図上訓練と、実際に住民が避難する実動訓練が行われました。 こうした国民保護法に基づく住民の域外への避難訓練は、県内で初めてということでした。 そこで、今回の訓練の狙いと成果、今後の課題について、お尋ねします。 8、中小企業・小規模事業者への支援について。 (1)コロナ・物価高騰等に対するこれまでの支援の状況について。 一昨年の新型コロナウイルス感染症発生以来、本県でも、国の地方創生臨時交付金などを活用して、「感染の予防、拡大防止と県民生活の安全・安心を確保するための対策や、県内の経済活動の維持、回復のための対策」を講じてきました。 また、最近の原油・物価高騰に対しても、事業者や関係団体の意見を聞きながら対策に取り組んでいます。 そのうち中小企業、小規模事業者については、特に、規模が小さく、経営基盤が脆弱であることから、商工会議所や商工会、金融機関などと連携をして、事業継続のための支援を行ってきたと認識をしています。 そこで、改めて中小企業や小規模事業者の新型コロナウイルス感染症、物価高騰などの影響に対して、これまでどのような内容の支援に取り組んでこられたか、お尋ねします。 (2)ポストコロナを見据えた支援について。 日銀長崎支店の11月の金融経済概況では、本県の景気は、「一部に物価上昇の影響が見られるものの、感染症の影響が和らぐ中で全体として持ち直している」とのことでした。 ただ、私の実感としては、これまでのコロナ禍の影響に加えて、原油や物価高騰の影響、さらにコロナ関連融資の返済の本格化を控え、中小企業、小規模事業者の経営状況は、今後、厳しさを増していくのではないかと懸念をしています。 一方で、国民のスタイルはコロナ前の状況には完全には戻らないと予想されることから、中小企業、小規模事業者が、ポストコロナを見据え、自らの事業の再構築や新分野への展開など前向きな取組を進めていくことが重要であり、県としても、こうした取組を支援していくことが必要だと考えます。 そこで、こうしたポストコロナを見据えた中小企業、小規模事業者の取組について、県としてどのように支援していこうと考えているのかをお尋ねします。 (3)事業承継について。 中小企業、小規模事業者が、環境の変化に対応し、しっかりと事業を継続していくことは、本県経済にとっても、地域の経済・社会にとっても大変重要な問題であり、後継者の不在を理由に廃業することをできるだけ避けるために、スムーズな事業承継を進めることが必要だと考えます。 特に、本県は、60歳以上の経営者の割合が58.5%と、九州8県の中で最も高いというデータもあり、事業承継は喫緊の課題です。 そこで、県では、平成30年に「事業承継支援戦略」を策定して事業承継を推進していますが、県の事業承継に対する考え方と現在の対策について、お尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終わり、答弁後に対面演壇席にて再質問、提案等をさせていただきます。 よろしくお願いいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕山本議員のご質問にお答えいたします。 島原道路の進捗状況と今後の整備への取組、部分開通の見込みについてのお尋ねでございました。 島原道路は、産業の振興や交流人口の拡大による地域活性化を図るうえで極めて重要な高規格道路であり、重点的に整備を進めているところでございます。 今年5月の長野~栗面工区の開通などによって、これまでも移動時間の短縮が図られておりまして、農産物の輸送強化や救急医療圏の拡大に寄与しているところでございます。 現在、県で3工区、国で1工区の整備を行っております。 このうち、事業化して間もない有明瑞穂バイパスでは、先月から用地取得に着手するなど、県で進めている全ての工区において、事業の進捗を図っているところでございます また、国が進めている森山拡幅においては、全体4.8キロメートルのうち、森山東から森山西インターチェンジ間の3.3キロメートルが、来年度開通する予定となっております。 引き続き、県としましても、島原道路の一日も早い完成に向けて取り組んでまいります。 残余のご質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私から、農地の基盤整備に関して、2点お答えさせていただきます。 まず、島原半島、特に、島原市における農地の基盤整備の実施状況と今後の新規地区の予定についてのお尋ねですが、今年度の農地の基盤整備事業につきましては、県全体で32地区、そのうち島原半島地域では12地区で実施しているところです。 島原市においては、3地区実施しており、令和3年度末までに事業費ベースで三会原第3地区が98%、三会原第4地区が20%の進捗となっており、中原・寺中地区は今年度から新たに着手したところです。 また、島原市での今後の新規地区は、令和5年度に一野地区を予定しており、引き続き、他の地区においても、基盤整備の推進に向けて県と市が連携し、地域の合意形成を進めてまいります。 次に、令和5年度の国の農業農村整備事業の概算要求の状況と予算確保に向けた県の取組についてのお尋ねですが、国の令和5年度の概算要求は、対前年度比で118%の5,273億円となっております。 予算確保に向けた県の取組といたしましては、国に対し、本年7月の政府施策要望において、重点項目として予算の確保、充実を要望したほか、10月にも関係団体とともに同様の要望を行ったところです。 今後とも、国の予算の確保と本県への重点配分について、あらゆる機会を捉えて国へ働きかけてまいります。 ○副議長(山口初實君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(早稲田智仁君) 私から、島原鉄道活性化検討部会の内容やスケジュールなど、今後の取組について、お答えいたします。 県では、これまで島原鉄道に対し、鉄道施設の整備補助のほか、新型コロナウイルス感染症等に係る支援金の交付など、事業継続のための支援に努めてまいりましたが、利用者の減少などにより、鉄道事業の経営環境は大変厳しい状況にあると認識しております。 こうした中、島原鉄道沿線地域の持続可能な公共交通の確保、維持に係る方向性等を検討するため、国の検討会における提言等も踏まえ、本年11月に、国や関係市、交通事業者及び利用者などで構成される「島原鉄道活性化検討部会」を設置したところであります。 検討部会においては、今後、現状分析の調査や運営改善方策の検討などを行いながら、令和6年度を目途に、将来に向けた地域公共交通の維持の方向性が定まるよう協議を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 私から、観光分野で、2点答弁をさせていただきます。 まず、島原鉄道に対する観光面での支援についてのお尋ねでございます。 島原鉄道が運行されていますカフェトレインにつきましては、地元食材を味わいながら島原半島の旅を楽しむことができる重要な観光資源の一つと考えております。 県では、現在実施をしております佐賀・長崎デスティネーションキャンペーンにおいて、旅行会社に対しまして積極的な販売を促しているところでございます。 また、キャンペーンの専用サイトなどを活用いたしまして情報発信や、あるいは島原鉄道がカフェトレイン利用者にオリジナルグッズをプレゼントしておりますけれども、そうした特別企画への支援も行っているところでございます。 このほか、JR九州やJR西日本と連携いたしまして誘客にも取り組んでおり、島原鉄道やバスを組み込んだ周遊きっぷなども発売されております。 今後とも、地元市や民間とも連携をいたしまして、島原半島の周遊観光素材を発信し、島原鉄道の利用促進を図るなど、地域の観光振興の取組を積極的に支援してまいりたいと考えております。 次に、有明海航路を活用した九州周遊観光における誘客に対する県の取組についてのお尋ねでございます。 有明海航路を活用した周遊促進につきましては、西九州新幹線開業に合わせまして、各旅行会社に対して新たなルートの提案を行い、九州新幹線や西九州新幹線と有明海航路を組み合わせた商品造成、販売がなされております。 また、長崎、熊本、大分、3県が連携しております取組といたしまして、3県周遊旅行商品の造成支援にも取り組んでおります。今年度は、西九州新幹線や有明海航路を利用した関西圏からの旅行商品の販売促進に対して支援を行っているところでございます。 今後とも、近隣県や民間の取組とも連携をしながら、広域的な周遊促進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 私からは、食育と動物愛護管理条例に関し、4点お答えをさせていただきます。 まず、食育に関し、フードバンクの現状と課題についてのお尋ねでございますが、県内におけるフードバンクとしましては、これまで長崎地区の「ひとり親家庭福祉会ながさき」、長崎佐世保地区の「フードバンク協和」が活動を行ってきたほか、昨年来、対馬、西海、雲仙、諫早地区にも同様の団体が設立され、企業等から寄附をされた食料品を生活困窮世帯や子ども食堂に提供されています。 フードバンク活動のさらなる拡大に向けては、食料品の確保、保管、配送に要する費用や人員不足等が課題となっていることから、「長崎県食品ロス削減推進計画」に基づきまして、来年度からは、国の事業を活用し、この活動を支援してまいりたいと考えております。 次に、食育推進全国大会の本県開催に向けた検討状況についてのお尋ねでございますが、本年6月に愛知県で開催された食育推進全国大会を視察いたしまして、改めて本県での開催は、県民の食育への理解をより一層深め、積極的な実践を促すためにも意義のあるものと考えております。 また、全国大会の開催によりまして交流人口の増加も一定見込まれることから、全国大会の誘致について、費用対効果や実施時期も踏まえながらではございますが、今後とも検討してまいります。 次に、長崎県動物の愛護及び管理に関する条例について、条例に実効性を持たせるためにどのように進めていくのかとのお尋ねでございますが、条例案では、人と動物が共生できる社会を目指し、県の責務、市町の協力、飼い主の責務や順守事項、多頭飼養の届出の義務、飼い主のいない猫への給餌制限などについて定めようとしております。 本条例に実効性を持たせるため、施策の3本柱としまして、収容数の削減、譲渡の推進及び市町等との連携強化を図ることとしておりまして、不妊・去勢手術の助成拡大、ボランティアと連携した譲渡活動、市町と協力した県民への理解促進等に取り組んでまいります。 また、年明けからは、全ての市町を直接訪問し、趣旨説明や協力をお願いすることで条例の円滑な施行につなげてまいります。 最後に、地域猫活動支援の具体的な取組とふるさと納税への実績についてのお尋ねでございますが、まず、地域猫活動への支援としては、不妊・去勢手術費用の助成拡大に併せ、アニマルポートながさきで行う不妊化手術の拡大に取り組んでまいります。 次に、ふるさと納税の犬猫殺処分ゼロプロジェクトには、現在、約1,600万円を超える申し込みがあっており、来年度以降、地域猫活動への支援、適正飼養の普及啓発、ボランティアへの支援、アニマルポートの再整備等への活用を検討しているところでございます。 今後も、必要な財源を確保しながら、このような取組を継続して実施してまいります。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 県内の子ども食堂の現状と課題についてのお尋ねですが、現在、県が把握している子ども食堂数は60か所あります。 本年9月に県内の子ども食堂を対象に実施した調査では、27か所の子ども食堂から回答があり、その結果、運営主体は、任意団体、企業、個人など様々であり、任意団体や個人が最も多く、開催頻度は、週に1回から2か月に1回までございますが、月に1回開催が最も多くなっております。 また、1回当たりの参加人数は、10人以下から101人以上までの実績がございますが、11人から30人が最も多いなどの状況でございました。 子ども食堂等については、担い手となる人材がいないことや、運営方法等がわからないといった声を把握しております。 そのため、県といたしましては、市町と連携して、子ども食堂等の運営に関心のある団体や個人に対して運営に関するノウハウの提供を通して、子ども食堂等に取り組む団体の掘り起こしと育成に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 学校給食における郷土料理の提供についてのお尋ねでございます。 学校給食では、日ごろから具雑煮や浦上そぼろなどの郷土料理が提供されておりますが、特に、毎年1月24日から実施されます全国学校給食週間におきましては、全ての市町で県内各地の特色ある郷土料理を取り入れております。 学校給食での郷土料理の提供は、ふるさと教育を推進するうえでも有効であると考えておりますので、今後とも積極的に取り入れていただきますよう、市町に対して働きかけてまいります。 また、学校で作成いたします食育だより等に郷土料理の由来やレシピ等を掲載するなど広く紹介することで、家庭でも郷土料理を食べていただけますよう一層の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 地域包括ケアシステムについて、2点お答えさせていただきます。 地域包括ケアシステムの昨年度の県内の構築状況と充実に向けた今後の取組についてのお尋ねですが、令和3年度は、地域包括ケアシステムが概ね構築できた圏域が、県内124圏域の約98%に当たる122圏域となり、前年度から11圏域増加しております。 システム構築が一定進んできたことから、今後は、システムを充実し、市町において地域共生社会の実現に向けた施策を展開できるようにすることが重要であると考えております。 このため県では、市町が地域住民の実感などの視点をこれまで以上に意識しながら取組の評価ができる新たな評価基準の策定に取り組んでいるところです。 また、引き続き、市町ヒアリングを通して地地域課題を明確にしたうえで、有識者による現地支援や人材育成などを行い、県内の地域包括ケアシステムの充実に向け取り組んでまいります。 次に、本県の成年後見制度の利用状況と制度の活用に向けた県及び県内市町の取組と課題はとのお尋ねですが、本県における成年後見制度の利用状況は、令和3年12月末現在の利用者が約2,500人であり、県内の認知症高齢者推計7万5,000人に対し約3%の利用率となっております。 現在、市町においては、国が令和4年3月に策定した「第2期成年後見制度利用促進基本計画」に基づき、権利擁護の取組方針となる市町村計画の策定、利用者からの相談対応や後見人の支援等を担う中核機関の設置等の取組を行っているところです。 県としましては、弁護士等専門職の不在により中核機関の設置が遅れている市町に対し、専門職を派遣するなど設置に向けた支援を行っております。 また、後見の担い手不足が課題となっていることから、市民後見人の養成講座の開催など担い手の確保に取り組むことで、県内における成年後見制度の利用促進を図ってまいります。 ○副議長(山口初實君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 令和4年度国民保護共同訓練の狙いと成果、課題についてのお尋ねですが、今回の消防庁との共同訓練では、住民の域外避難に係る一連の手続や調整についての理解と習熟を図ることを主目的とし、前段で避難の指示や避難実施要領の検討と、各関係機関が連携した住民避難等を行うための調整を図上訓練として実施いたしました。 これにより、国民保護対応の一連の流れの習熟が図られ、さらに、一時集合場所、輸送能力等を算出した域外避難の「避難実施要領」を作成できたことが大きな成果と考えております。 また、後段で、陸路、海路、空路による住民の域外への避難について、自衛隊、海上保安庁、民間企業などと住民が参加する実動訓練を実施し、関係機関との連携や住民の避難誘導の方法を確認することができました。 一方、課題として、住民の域外避難について県内の他市町にも習熟してもらうことや、避難行動要支援者の避難について、輸送手段が一市のみでは限界があるため、県内での輸送力の確認とともに、広域での応援体制の確保が必要と考えております。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 私から、中小企業等への支援につきまして、3点お答えをいたします。 これまで、中小企業や小規模事業者のコロナ、物価高騰等の影響に対して、どのような支援に取り組んできたかとのお尋ねです。 新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大や原油価格・物価高騰の長期化を受け、本県においても、様々な分野で大きな経済的影響が生じているものと認識しております。 このため、県としては、資金繰り支援や国の事業復活支援金に県独自で上乗せ給付を行うなど、コロナ禍の影響から回復を目指す中小企業、中小事業者の支援に取り組んでまいりました。 加えて、原油価格・物価高騰に対しましては、省エネ設備の導入や設備、製造コストの削減につながる生産設備投資への支援等の対策を講じてきたところであります。 次に、ポストコロナを見据えた事業者の取組につきまして、県としてどのように支援していこうと考えているのかとのお尋ねです。 県においては、ポストコロナを見据え、社会経済活動の早期回復と構造転換を図るため、中小事業者の新分野進出や新規取引の開拓、業態の転換など前向きな事業再構築の推進が重要であると考えております。 このうちサービス産業事業者に対しましては、デジタル技術の導入や経営の多角化などを支援するとともに、製造業については、半導体や航空機等の成長分野における新たな投資に対する支援を行ってきたところであります。 引き続き、国の政策等を注視しつつ、中小事業者の実態把握に努め、社会経済環境への対応に必要な支援を注力してまいります。 次に、平成30年に策定した県の「事業承継支援戦略」における事業承継に対する考え方と現在の対策についてのお尋ねでございます。 中小企業は、地域の雇用や技術、技能の担い手として重要な役割を果たしている一方、県内では、令和2年における経営者の平均年齢が61.1歳と九州で最も高く、後継者不在の企業の割合も63.4%と高くなっていることから、事業承継は喫緊の課題であると捉えております。 そのため、県では、国が全都道府県に設置した「事業承継・引継ぎ支援センター」を中心に、市町や金融機関、商工団体等で構成される「長崎県事業承継ネットワーク」に参画のうえ、取組を推進しており、令和3年度においては、事業承継の完了目標66件に対し68件の実績となっております。 今後とも、関係機関と連携を図りながら、対象企業の掘り起こしや、県の制度融資による支援などに努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) それぞれにご答弁ありがとうございました。 それでは、幾つかピックアップして再質問をさせていただきます。 まず、島原半島に関する重要なインフラ整備についてですが、現在事業中の島原道路、農地の基盤整備については、関係者のご尽力により概ね順調に推移をしていると認識をしております。今後とも、予算の確保、事業の推進をよろしくお願いいたします。 一方、島原道路については、未事業区間である小野町から長野町間の問題、また、島原半島においては、本年度新規事業化された「富津防災」の事業促進とともに、島原・天草・長島連絡道路、愛野小浜バイパスについても長年にわたって整備が要望されており、これらの課題につきましても、国の動向を注視しつつ歩みを進めていただきますようにお願いをいたします。 次に、島原鉄道への支援についてですが、これまでの補助金、交付金は、事業継続のために必要なもので大変ありがたいものなんですけれども、足元の厳しい状況の中では、どうしても対処療法的な支援にならざるを得ず、これまで根本的な問題は先送りされてきたという印象があります。 今回、単に赤字だから補助をするというような考え方ではなくて、観光や環境への影響、鉄道があることによる地域の知名度、イメージなどの外部経済効果や、万一鉄道が廃止されたら、鉄道が果たしている役割をカバーするためにどれだけの行政負担が新たに生じるのかというクロスセクター効果の分析も必要です。 残された時間は多くはありません。沿線自治体においては、今後のまちづくりという観点から、島原鉄道のあり方について、より危機感をもって取り組んでほしいと思いますし、県としても、広域的な視点から積極的に参画をいただき、国の動き、施策に乗り遅れることのないようにどうぞよろしくお願いをいたします。 次に、観光振興についてですが、1点目に有明海航路を活用した九州周遊観光について。 今年6月、有明海沿岸地域の広域連携による観光振興を目指して、福岡、佐賀、熊本、長崎の4県の11市町の観光協会による「環有明海観光連合」が設立されました。本県でも、島原市の島原観光ビューローが参加をしており、今後、有明海沿岸の他の市町にも広げる予定と聞いています。 そこで、本県としても、県境を越えた広域周遊観光を推進するために、この観光連合への参画も含め、こうした自治体連携が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 「環有明海観光連合」につきましては、議員ご指摘のとおり、本年6月に沿岸4県の11市町の観光協会によって設立をされております。 具体的な取組につきましては、今後検討されていくものと伺っておりますが、県といたしましても、広域観光を推進していくことは大変重要なことであると考えておりますので、こうした動きも注視をしながら、広域での地域間連携について、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) まだ設立したばかりということですので、様子を見ながら、ご検討をぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、熊本県との連携についてですけれども、私は、海を挟んだ隣県でありながら、これまで本県と熊本県との交流というのは、少し弱かったのではないかというふうに感じています。 熊本県は、九州の中心に位置し、陸路においても航路においても、九州周遊の核となる地域だと考えています。また、今後、TSLCの進出などにより10年間で4兆円の経済効果が見込まれるなど、人口の増加や発展も期待をされています。 こうした熊本県からの誘客を図ろうと、民間では、2024年の「島原城築城400周年」に合わせて島原観光ビューローが熊本城と島原城とのコラボを計画したり、島原鉄道においても熊本県の交通事業者と連携した商品の造成に取り組んでおり、ぜひ、このような熊本県との連携事業についても、県として支援をお願いしたいと考えています。 そのためにも、観光をはじめ両県の連携を深めるために、長崎県知事と熊本県知事によるトップ会談を行ってほしいと思いますが、知事のお考えをお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 誘客対策やプロモーションなど観光面で、議員ご指摘のとおり、単一の県でではなく隣県同士で連携をした取組ということは非常に重要だと思っております。 そのためには、隣県の熊本県をはじめとした九州各県の知事同士が、トップ同士が良好な関係をまず構築するということが、現場レベルでもスムーズな事業展開につながっていくものというふうに考えますので、様々な機会を捉えて意見交換の場と機会を設けてまいりたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) 特に、一対一のトップ会談というのは大変意味があるなと、話題性もありますので、実現に向けて期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、食育についてですが、大変前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。 食育を推進していくには、行政と学校や農林漁業者、食品関連事業者、ボランティアの方などの様々な立場の関係者の緊密な連携、協力が必要です。先ほどの答弁の中で、フードバンクや子ども食堂についても活動が広がりつつある一方で、多くの課題があることもわかりました。 私の地元でも、新たに子ども食堂を始めたいという団体や食材を提供したいという方が増えていますが、どこに相談すればよいかがわからないという声や、提供していただく食材と提供先との量的なミスマッチ、保存方法などの課題があるとも聞きます。 そこで、県下全域にわたって、よりよい事業となるように、わかりやすい情報の提供と共有、関係者間並びに地域間のネットワーク化というものを進めてほしいと思いますけれども、県の見解をお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 子ども食堂をはじめとする子どもの居場所の運営団体等のネットワーク化により、国等による子どもの居場所に対する助成金等の情報の共有や、団体間での情報交換による活動の活性化が図られるものと考えております。 運営団体のネットワーク化につきましては、県内には「つなぐBANK」や「ながさき子ども食堂ネットワーク」などがございますので、それらのネットワークと連携して取り組んでまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) まだ地域間の偏在というものがありますので、できれば、そういう方々が集まって意見交換等をしていただく場もご検討いただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、地域包括ケアシステムについてですが、これに関連して、重層的支援体制整備事業について、お尋ねをします。 これまでの日本の社会保障制度におきましては、高齢者福祉、障害者福祉、生活保護、児童福祉など、制度が属性別、対象別に分かれて、それぞれに支援を行ってきましたけれども、住民の方が抱える課題が複雑化、複合化する中で、ダブルケアやヤングケアラー、8050問題など、一つの世帯に複数の課題が存在をし、従来の支援体制ではケアしきれないケースが発生をしているようです。 地域包括ケアシステムの現場の方からも、相談者の世帯が複数の課題を抱えているケースがあって、こうした方々を一体的に支援できないかという声も聞いています。 こうした課題の解決のために、本県も、先ほど答弁いただきました地域共生社会という考え方のもとで、高齢者、障害者、子どもなどの属性を超えた包括的な支援体制であります重層的支援体制整備事業を今後構築していく必要があると考えます。 そこで、重層的支援体制整備事業に対する県内市町の取組状況と県の今後の取組について、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 現在、重層的支援体制整備事業の実施市町はありませんが、4市町で移行準備事業に取り組まれ、うち3市町は令和6年度からの本格実施を予定しております。 また、このほかに2市において、移行準備事業の実施に向けた検討が進められているところです。 重層的支援体制整備事業は、従来の地域包括支援センターなどの運営に加え、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業などが必要となり新たな財政負担が生じることや、関係機関が多岐にわたり調整に時間を要するなどの課題もあります。 県としましては、複雑化、複合化した問題を抱える住民に効果的な支援を円滑に行い、地域全体を支える仕組みがあることが重要と考えております。 そのため、先行市町の取組状況の共有や意見交換、国の全国キャラバンを活用した関係機関向け研修の実施などにより、市町の包括的な支援体制の構築促進に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) 今おっしゃったとおり課題があって、本来効率化すべきところが、ばらばらになることによって逆に煩雑になるというふうなことがないように、先行されているところを中心に進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、長崎県動物の愛護及び管理に関する条例について、先ほど大変前向きな答弁をいただきました。ありがとうございました。 地域猫活動について、再質問をします。 先日、私は、地域猫活動を行うボランティアの方と、県、保健所、市との意見交換会を行いました。その中で感じましたのは、地域猫活動を行っている人も、これを無責任な餌やりと誤解をして非難をしている人も、行政も、目的は同じ方向であって対立するものではないということです。 そこで、まず、この点についての住民の理解が第一歩であり、これをボランティア団体だけに任せるのではなく、県と市町が一緒になって積極的に関与してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
    ○副議長(山口初實君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 議員ご考察のとおり、地域猫活動の円滑な実施のためには、動物愛護に対する地域住民への理解促進が大変重要であります。 このため年明けからは、各市町を直接訪問し、条例の趣旨説明を行うとともに、地域住民に対する広報、啓発などへの市町の協力をお願いすることとしております。市町とも連携を図りながら、県民の理解促進を図ってまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) もう一点、地域猫活動を行うボランティアの方とお話をしていると、活動の場所にもやはり苦労をされています。 一方で、活動とか場所が明らかになると、逆に無責任な野良猫が持ち込まれるなどの弊害も懸念をされます。 そこで、地域猫活動について、場所ということではなくて、活動自体であったり、活動する団体や人を認定して、これを支援するような形の仕組みができないかなと考えるんですけれども、この点はいかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 地域猫活動の円滑な実施のためには、活動区域の状況や活動計画などについて、関係者間の合意が重要だと考えております。 このため、実施するボランティア、自治会、市町担当者等との事前調整を図っているところでございます。 今後とも、地域猫活動ボランティアにつきましては、議員のご提案や他県の事例なども参考に、より活動しやすい環境となるよう支援してまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) 私は、今の段階では、県と市町では、地域猫活動の支援に対して温度差があるというふうに感じています。今回の条例を機に、市町への働きかけ、協力体制を強化していただいて、地域猫活動への支援を通じて殺処分ゼロに向けた取組を推進していただくことを改めてお願いをいたします。 次に、国民保護訓練についてですが、今回の島原市の訓練では、国民保護共同訓練と併せて防災避難訓練を実施しています。 その中で市独自の取組として、自主防災会単位での初期避難訓練を行い、一時避難所については、行政ではなく自主防災会が運営を担当しました。 現在、県では、自主防災組織率の向上に取り組んでいますが、令和3年度の組織率は74.8%と全国平均よりも10%程度低い状況です。さらに、いざという時に自主防災会が実際に機能するかが問題です。 高齢化などで有事の際に避難の支援が必要な人が増える一方で、公的な支援に限りがある現状では自助・共助が重要であり、これは自然災害においても緊急対処事態においても同様かと思います。 そこで、今回の訓練を参考にして、県としても、市町の自主防災組織と連携して、より実践型、住民参加型の訓練を行ってほしいと思いますが、県の見解と今後の国民保護訓練の取組について、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次ぐ中、ミサイル攻撃を想定した訓練も必要と考えており、来年2月に、消防庁と共同で、本県の離島地区へのミサイル攻撃を想定した図上訓練を実施する予定であり、県内市町の職員にも参加していただき、訓練計画の立案力を習得してもらいたいと考えております。 また、次年度以降につきましても、域外避難に主眼を置いた訓練とミサイル対応の訓練を図上、または実働の形式で計画し、実働訓練への住民参加、自主防災組織との連携など、より実践的な訓練を実施していくとともに、各市町による訓練の計画を支援するなど、県全体の事態対処能力の向上を目指してまいります。 また、今回の訓練を踏まえまして、今後、県内各市町の避難行動要支援者数や県内の輸送力を把握しまして、輸送手段の確保などについて県内における調整を行うとともに、県域で不足する輸送力につきましては、他県及び国とも協議してまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) ないに越したことはないんでしょうけれども、万が一あった時というふうなことで、実効性のある訓練となりますように、どうぞよろしくお願いをいたします。 最後に、中小企業、小規模事業者への支援についてですが、事業承継の中で子どもによる事業承継について、お尋ねします。 近年、事業承継の方法として、第三者など子ども以外への承継が注目をされ、様々な支援策が講じられています。 ただ、地域の多くの中小企業や小規模事業者にとって、後継者候補として一番に考えるのは自分の子どもであり、もっと子どもへの承継を促す取組が必要ではないかと考えます。 もちろん、基本は当事者である親子間の問題とはいえ、県としても、子どもへの事業承継について何か支援ができないかと考えますけれども、ご見解をお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 経営者である親を間近で見てきた子どもへの事業の引継ぎは自然なことであり、まずは親から子への事業承継を促進していくことは意義があると考えております。 一方、県内企業の約4分の1が、事業承継を経営上の問題として認識していないとの調査結果もあることから、現在、事業承継に関心を持っていただくための診断を実施するとともに、中小企業診断士協会と連携のうえ、事業計画策定等の支援に努めてきたところであり、その結果、引継ぎ資産の評価など、親子間であっても経営状況や経営課題等について認識を深めていただくよう、積極的に取り組んでいるところであります。 引き続き、「事業承継・引継ぎ支援センター」等の関係機関と連携しながら、親から子への事業承継の推進に向けた支援方策について、効果的な情報提供も含め検討してまいります。 ○副議長(山口初實君) 山本議員-27番。 ◆27番(山本由夫君) 日本政策金融公庫総合研究所が昨年、子どもの事業承継意欲に関する調査というアンケートを行っています。 これは、経営者である親側の視点ではなくて、子ども側の視点から、実際に事業を承継した承継者や承継決定者、承継したい、承継してもよいと思っている承継予備軍、承継するつもりのない無関心層、承継するかどうかをまだ判断できない未決定層の5つの類型に分けて、事業承継に関する意識の実態を調査したものです。 その中で私が注目をしたのは、事業を承継するつもりがない理由として、「事業の先行きが不安だから」という回答よりも「事業経営に興味がないから」、「必要な技術、ノウハウを身につけていないから」という回答の方が多かったことです。また、事業を承継するかどうかまだ判断できない理由のトップが「事業経営について親と話をしていないから」であったことです。 中小企業や小規模事業者の多くは自営業者です。自営業にはリスクもありますが、やりがい、定年がない、自由、また、後継者であれば、先代から築いてきた信用などの利点も多く、昨今の社会情勢の変化や働き方改革の流れの中で、アイデア次第では多くの可能性があると感じています。 そして、自営業者がこれまで地域において果たしてきた役割を考えれば、子どもによる事業承継は一事業者だけの問題ではなく、人口減少対策や地域の活性化にも大きく寄与するものだと考えます。 もちろん、経営者である親自身が、その姿を見せ、話をし、子どもが自発的に承継を選択してくれれば、それがベストなんでしょうけれども、親子だからこそ言いづらいこともあるかと思います。 そこで、こうした働き方や成功事例をもっと情報発信をしたり、例えば農業などで行われているような後継者対策、Uターン対策を中小企業、小規模事業者に対してもぜひ検討をしていただきたいと思いますし、私も一緒に考えていきたいということを最後に申し上げまして、一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山口初實君) 午前中の会議は、これにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、2時から再開いたします。     -午後零時13分 休憩------------------------------------     -午後2時0分 再開- ○議長(中島廣義君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 自由民主党・県民会議、大村市選出の小林克敏でございます。 いよいよ今年も師走に入りまして、朝晩、大変寒くなってまいりました。今日も風が吹く中において、これだけのたくさんの方々が大変お忙しい中を県庁傍聴席に詰めていただいているわけであります。日頃からの皆様方の大変温かいご支援に心から感謝をいたしているところでございます。 また、ご案内のとおり、私は、今定例会の冒頭日の25日、ここの私の後ろの高いところに座っていらっしゃいます中島廣義議長から、在職25年、長崎県議会議員として25年を務めたというようなことで、晴れの表彰の栄に浴したわけであります。知事からもお褒めの言葉、激励の言葉をいただいたところでございます。 本当に考えてみますと、在職25年といいますけれども、私は、まさに47年前の昭和50年、この県議会の議席に30歳の若さで皆様方に送っていただいたわけであります。あれから47年の歳月が流れましたが、まさしく私は、最初に12年間の苦節、重ねてまた10年、トータル22年間の浪人生活、まさに苦節を余儀なくされたのであります。まさしく私の不徳のいたすところであります。 しかしながら、こうしてカムバックをさせていただき、県政でそれなりの役割を果たさせていただいておりますこと、ひとえに関係皆様方のおかげであります。 高いところからではございますけれども、心から厚く御礼を申し上げる次第であります。 県政もいろいろとありまして、中村県政から大石県政に代わりました。そして、今、皆さん方からご覧いただいております、こちらの方が大石知事、本物であります。 それから、お二人の副知事をはじめ、まさに県庁の各部の部長の方々、全部、政策責任者であります。 それから、こちらのすぐそばにおられる方が教育委員会教育長であります。 そして、ずっとそれぞれ関係の方がいらっしゃって、皆さん、一番端の方をよくご覧ください。長崎県警察本部の本部長であります。泣く子も黙る、あるいは泣く子も泣きやむ、これくらいの迫力でありますが、そういうようなことで県政にいろんな方々がご尽力をいただいているわけであります。 今から一時間、それなりにしっかり質問をさせていただき、また、ご答弁をお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 さて、早速でありますけれども、質問通告に従いまして質問に入りたいと思います。 1、ミライon図書館の大村市移転による成果について。 (1)大村市移転による成果とまちづくりの貢献について。 ①大村市移転による成果について。 ご案内のとおり、大村市駅前にミライon図書館が、今、きちんとそびえております。それが長崎から大村に移転をしてきて、どんな成果が我々の目にとまっているのかと、こういうようなことをひとつ質問をし、教育委員会教育長からしっかりご答弁をいただきたいと思います。 長崎市内に100年以上の歴史を持ち、君臨した県立図書館を大村市へ誘致し、令和元年10月5日にミライon図書館として開館してから、早いもので3年が経過をいたしたのであります。 県都である県庁所在地を離れて大村市へ移り、県立と市立の図書館を合築させる構想は、かなり大胆でしたが、しかし、新しい時代の流れを感じさせるものでありました。 今、改めて移転当時を思い、その頃のことを率直に言わせていただくならば、県立図書館を大村市へ移転させることは、なかなか反対も根強く、長崎市で開催された移転反対の決起大会には2,000人を超えるあふれるほどの人で盛り上がり、また、審議する文教厚生委員会には、かつてないほど人が集まり、傍聴席が足らず、広い場所に移して委員会を開催し、賛成、反対の怒号が飛び交い、騒然となった真剣な議論も今は懐かしく、やはり大村市への移転は、なかなかの難産であったこと、我々は、このことを決して忘れてはならないと考えております。 そこで、教育委員会教育長にお尋ねしますが、県立図書館が大村市に誘致され、ミライon図書館となって3年が経過しましたが、大村市に移転してよかったのかどうか、どんな成果があったのか。 まず、成果のバロメーターとして、令和元年度にオープンしてから半年間、令和2年度と令和3年度はコロナ感染が拡大する中、どれくらいの県民の皆様がミライon図書館をご利用されているのか。まずは来館者数、そして、図書館の貸出冊数はどれくらいになっているのか。 また、ミライon図書館の来館者数と貸出冊数は、全国都道府県立図書館において、どんな位置づけになっているのか、順位などがわかれば端的にお答えをいただきたいと思います。 それでは、どうぞよろしくお願いをいたします。 ○議長(中島廣義君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) ミライon図書館への来館者数につきましては、令和元年度が10月オープンからの半年間で約26万4,000人、令和2年度が約32万5,000人、令和3年度が約37万4,000人であります。 貸出冊数でございますが、令和元年度が約52万冊、令和2年度が約82万冊、令和3年度が約92万冊、うち個人貸出冊数は約86万冊となっております。 都道府県立図書館といたしましては、日本図書館協会の速報値では、来館者数は全国7位、個人貸出冊数は全国2位となっております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) ただいま、教育委員会教育長からご答弁をいただきました。 来館者数は、昨年度一年間だけで37万4,000人と、それから貸出冊数は、昨年度の令和3年度は92万冊、そのうち個人の貸出冊数は86万冊、これは全国で第2位、いわゆる来館者が全国で第7位、貸出冊数が第2位となっているということでございます。 長引くコロナ禍の中で、厳しい環境の中でも、ミライon図書館はきちんと成果を出してくれているではありませんか。これも館長はじめ、職員の皆様方、県と市が一体となってサービス向上に努めた成果であり、重ねて評価したいと思います。 ②まちづくりへの貢献について。 県立図書館を大村に誘致する際、我々が最も強調したことの一つは、県土の均衡ある発展であります。次に、大村市は、空港や高速道路、そして9月23日に開業した新幹線大村駅、これだけの高速体系が整備された、まさにアクセスにすぐれたまちは、ほかにはないし、そのうえ、子育て世代の流入が多いまち、こんな大村のまちは、市外からの県民の皆様の流れが期待されるし、また、グッドデザイン賞に輝くミライon図書館のいで立ちは、若い方々を含め幅広い年代層の図書館利用につながると叫び続けてきたのですが、以前と比べて市外からの利用はどのようになっているのか。 また、利用者の年代は、通常、ご高齢の方々が多いのが図書館と言われてきましたが、どのようになっているのか、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 利用者の居住地につきましては、旧県立図書館では、市外からの利用者が全体の1割程度であったものが約3割へと増加しております。 また、利用者の年代につきましては、専用の学習スペースを十分に確保したことによりまして、10代の中高校生の利用が増え、また、子ども用の閲覧室や子どもトイレなど、親子が利用しやすい設備の充実によりまして、30代から40代の子育て世代の利用が増えるなど、利用者の年代の幅が広がっているところでございます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 今、かつての県民の皆様方の県立図書館の利用が約1割ぐらいだったと、それが3割へ増加して、年代につきましても、若い人たちも含め幅が広がっているということをお聞きして、大変うれしく思っているところでございます。 そこで、教育委員会教育長、ミライon図書館は社会教育の施設ではありますけれども、同時に、その地域のまちづくりにも大きな影響を与えるものとして私は考えております。 ミライon図書館を大村に移転し、長崎県や大村市のまちづくりに対して、どんな貢献を考えられているのか、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) ミライon図書館につきましては、県・市一体の図書館となりますことで、蔵書の充実が図られますとともに、幅広い分野でのイベントや講演会等が実施されるなど、新たな魅力や価値を創出することができているものと考えております。 その結果、昨年度の来館者数の月平均は、約3万人となっておりますが、これは人口約9万5,000人の大村市におきまして、人口の約3分の1に当たる人流が毎月生まれるということでございますので、まちの活性化にも還元しているものと思っております。 また、ミライon図書館は、先ほどお話にございましたとおり、全国有数の蔵書数を持ちます知の拠点でありますとともに、環境にも配慮した優れたデザイン、これは大村、また長崎のまちのシンボルとして定着しております。 そういったことを考えますと、本当に地域の皆様にも愛される図書館に育っているということを実感しているところでございます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) そのとおりですね。37万4,000人を月になおせば、月に大体3万人ぐらいがお越しいただいていると、これは大変な数ですよ、3万人ですよ。 そういう点からしてみて、やっぱりまちづくりに相当貢献をしていただいているという気持ちを我々も感じておりましたが、具体的に37万4,000人、月に3万人がお越しいただいているという、これだけの数は、大変ご無礼であるけれども、長崎県にまさに君臨していた頃の県立図書館は、これだけの数はなかったかもしれない。また、多くの県民の、いわゆる市外から来館される方々の数も、市外からは過去は1割、それが3割ぐらいになっているということ、あるいは年齢層も若い方々にも広がっていると、こういう点から考えてみますと、やっぱり大したもんだという感じに改めていただき、また、大村市のまちづくりにも相当貢献していただいている、このミライon図書館ではないかと考えます。 これは教育委員会教育長、あなたに、また、県議会議員の皆様方にもぜひお知らせをしておきたいと思いますけれども、大村市に移住する方々がどんどん増えてきております。例えば、令和元年度がどのくらいだったかというと、100人ぐらいだったんです。令和2年度はどうかというと111名だったんです。100名ぐらいであんまり代わり映えしないけれども、令和3年度になりますと165名と、令和4年度はもっと増えるかもしれないと、こう言っているんです。 これだけの移住者が大村にお越しいただいているということは、知事、いいですか、やっぱりこの県立図書館、大村にミライon図書館があると、この図書館を心のよりどころにして、たくさんの方々がお見えいただいていると。こういうようなまちづくり効果、移住者が増えているという、この中にミライon図書館の活躍は非常に高いということ、これもぜひご記憶にとどめてもらいたいと思います。 それで、ミライon図書館について、最後に質問したいことは、ミライon図書館が非常に立派に発展をしていると、しかし、これからはデジタルの時代と、そういうようなデジタル社会の到来の中で、これからどんな対応をミライon図書館がやっていくのか、これを最後にお尋ねしておきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) ミライon図書館につきましては、これまで県内全域での利用を支援するため、各地域の図書館と連携しました「返却サービス」、あるいは「お取り寄せサービス」を実施してきたところでございます。 来年2月からは、電子図書館サービスを開始することとしておりますので、離島・半島地区にお住まいの方や、仕事や子育て等で来館が難しい方などにも、より便利にご利用いただけるようになります。 このようなデジタル社会に対応する取組を通しまして、県内全域の皆様にご利用いただき、より一層愛されるミライon図書館を目指してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 教育委員会教育長、ミライon図書館が、これだけ皆さん方から愛され、親しまれているという背景には、館長、また、そこで働いてくださる職員の方々、同時に大村市と長崎県のそれぞれの関係の皆様方がサービスに、これ努めてサービスの拡大をやっていただいている、そういう成果がこのような実績につながっているんじゃないかと。 今、ご答弁いただいたように、これからデジタルの図書館として取り組んでいくという、まさに時代の先駆けをこれからやろうとされている。 ぜひ、長崎県の財産であるし、大村市の財産でもあるこのミライon図書館、どうぞこれからも力強いご支援とバックアップをお願いを申し上げておきたいと思います。 2、大村のアニマルポート(県動物管理所)の建替えについて。 (1)条例制定と施設整備について。 私たちが住んでおります大村市森園町に、長崎県が所管する野良犬や野良猫を保護する動物管理所、いわゆる「アニマルポートながさき」という施設があります。 建設から半世紀近くが経過し、老朽化も進んでおります。設置場所の大村市からも、6月8日、大石知事に対し、園田市長をはじめ、関係の皆様方から、動物愛護の拠点施設として建替えを強く要望されたことはご記憶に新しいと思います。 長崎県は、全国の中でも、犬猫の殺処分が非常に多いと、こういうような状況の中で、やっぱり動物愛護に対しての関心が大きく高まっている、いわゆる時代の流れの中にあって、殺処分が日本一、多いということ、こういうことがやゆされることは、本県のみならず、殺処分を実行する施設を持つ我々のふるさとである大村市までが、やっぱり何か印象が悪くとられてしまうと、こういう傾向を懸念しているわけであります。 そこで、県民生活環境部長にお尋ねをいたします。 県民生活環境部長、お元気ですか。今から10年前の平成24年頃、あるいは5年前の平成29年頃の殺処分数はどれくらいだったのか。また、直近の令和2年度、令和3年度はどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 本県の犬猫の殺処分数でございますが、10年前の平成24年度には5,951頭、5年前の平成29年度は3,028頭、そして直近である令和2年度は1,953頭、令和3年度には1,345頭となっており、殺処分数自体は年々減少してきておりますけれども、その減少率は鈍化している状況でございます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 今の部長の答弁をもう一回繰り返しますが、10年前の殺処分が約6,000頭、5年前が約3,000頭、直近の令和2年度が約2,000頭、そして昨年度が1,345頭と年々減少しておりますが、率直に言って、しかし、あまりにも多過ぎる、この一言に尽きると思うのであります。 来年4月1日に施行される長崎県初めての動物愛護を管理する条例によると、野良猫に餌をやる場合、不妊・去勢手術を施した猫を対象とすること、つまり餌をやる場合においては、野良猫であろうが、野良犬であろうが、不妊・去勢手術を施した猫を対象とすること、それをしてない猫には餌をやってはいけませんと、この無責任なやり方が野良猫を増やし、殺処分数が増える大きな要因となっていることが指摘をされています。 そこで、県民生活環境部長に引き続き質問いたしますが、この不妊・去勢手術代は、1頭大体幾らかかるんですか。今年度当初予算で何頭分、どれくらいの予算額を確保しているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 不妊・去勢手術につきましては、長崎県獣医師会に委託して実施しております。 今年度当初予算においては、1頭当たり1万3,547円となっており、これが434頭分として587万9,398円を計上しているところでございます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 1頭の不妊・去勢手術代が約1万3,000円強かかると、こういうことですね。これがまさに1頭の不妊・去勢手術代です。全体的に令和2年度、令和3年度、令和4年度と、ずっと一般会計から、つまり県民の皆様方の税金で、これをやっていらっしゃるわけですね。令和4年度は約600万円ぐらい、昨年度は340万円ぐらいと、こういうような形の中で殺処分の予算を獲得いたしておるわけでありますね。 これだけの予算を県民の皆様方の税金からいただいているということ、これは聞く人が聞けば、これは本当に驚きますし、また、我々もこういう話を聞いて驚いているわけであります。 さて、そこで担当の平田副知事、こんにちは、大石県政は、犬、猫の殺処分ゼロを大変強く訴えています。それを実現するには、いろんな対策が要求されますけれども、わけてもその大きな柱として譲渡を増やしていく、その取組が必要であることは言うまでもないと私は思うんです。 だからこそ、その譲渡を進めるためにも、現在の老朽化した、全てに狭い、駐車場もままならない現状の施設では、いかんともしがたく、今こそ、動物愛護管理を推進する条例がしっかり機能する拠点施設が必要と考えますけれども、平田副知事は担当副知事として建替えについてどのようなお考えをお持ちか、お尋ねをしておきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 平田 研副知事。 ◎副知事(平田研君) 現在の施設は、老朽化、狭隘化が進んでおりまして、犬、猫の収容スペースも十分でないなど、様々な課題を抱えていると認識しております。 条例が目的とする動物愛護管理を推進するためには、このような課題を解消できる新たな拠点施設の整備が必要であると考えております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) だから、施設を建替えなければならないとか、そういうようなことをもっと明確に言ってもらいたい。そういうものを必要としているというようなことは、もう当たり前の話です。 要は、建替えについて、どう考えているかということを、もう一度、担当副知事、お願いします。 ○議長(中島廣義君) 平田 研副知事。 ◎副知事(平田研君) 拠点施設の再整備が必要であるということで、これは殺処分ゼロを目指すうえでも必要なことであります。 今後、ロードマップの策定を急ぐとともに、再整備の場所、それから拠点施設の機能、構造など、具体的に検討いたします委員会を立ち上げまして、年度内にも一定の方向性が得られるように取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) そういうことを言ってもらうと非常にわかりやすい。皆さん、平田副知事は国交省から来ておられて、将来、偉くなられる方です。副知事が今言われたように、要するに施設の建替えは喫緊の課題だと、こういうことでございますね。 そして、ありがたいことに、これからそれを実現するためには、もう行動あるのみとおっしゃっておりまして、要するに工程表をつくり、それから具体的に検討委員会などを立ち上げて年度内に方向づけを考えると、こういうようなことを明確におっしゃっていただきました。 これまで、年度内にこれをやるべきではないかと、こういうようなことでありましたけれども、大石知事も了解をしていただいたのではないかと思いますけれども、やっぱり私どもとしては、まず、いつ、何を、どうやってやるのかという工程表をきちんとつくってもらいたい。そして、検討委員会を立ち上げて、とにかく年度内に方向づけをきちんとしていただかないと、何といっても来年4月1日、新年度から、いわゆる動物愛護に関する条例をつくって、殺処分ゼロにするための、いわゆる方向づけをこれから具体的にやっていくわけですよ。殺処分ゼロということをうたいながら、今の施設ではいかんともしがたいと、こういう状況をほっとったら有言不実行ということになるわけでありまして、このところはやっぱり考えてもらいたいと思っておりました。 しかし、担当の平田副知事が、そのようにして年度内に方向づけをやると、こういうことでございますから、もう後は実行あるのみ、そのような形の中で、ぜひとも、これを速やかにやっていただくことを重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。 ありがとうございました。 3、知事の政治姿勢について。 (1)令和5年度当初予算編成の考え方等について。 知事、お待たせをいたしました。次に、令和5年度当初予算の編成について、知事といくらか議論をさせてもらいたいと、こう考えております。 知事、我々、県議会議員というのは、ここの議席を得て、何が一番醍醐味かというと、やっぱり知事と直接に議論をすることができるという、これが我々の一番の醍醐味だと思います。もちろん、副知事、部長さんたち、それぞれの重みがありますけれども、部長さんたちとは委員会なんかで議論し合うことができるわけでありますけれども、我々のこうした質問は年に1回しかないと、しかも、年に1回、知事とこうして議論できるのは、この時だけと、こういうことを考えれば、あなたもいろいろ勉強で大変だと思いますけれども、今から令和5年度予算編成についてお尋ねをしますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 ①令和5年度当初予算編成の考え方(前年度減額項目等)等について。 大石県政の初の予算編成となる令和5年度の当初予算において、継続事業の政策的経費に前年度比40%減の予算要求基準、いわゆるシーリングを設定し、本年度の30%から、さらに削減率を引き上げていくということが明らかになっております。 前年度比40%減というシーリングを設定した政策的事業は、県政推進に重要な事業ばかりであり、果たして削られた政策的事業はどうなるのか、そんな心配する声が庁内からも聞こえてくるわけであります。 30%から40%に引き上げるというこの削減率、これを上げることによって幾らのいわゆる財源確保ができるのかということを聞いておりますと、ご案内のとおり、大体15億円と言っているわけですね。 この15億円は、昨年度が12億円であります。そういう状況から考えれば、政策的経費で2億円、そして固定的経費の見直しで1億円、合計3億円ぐらいの増となると言っておりますが、しかし、よくよく考えてみますと、このいわゆる3億円のおかげ、特に政策経費2億円のおかげ、これで既存の政策的経費の2億円が、事実上、削減されていると、こう言っても言い過ぎではないのではないかと思います。 そして、その3億円は何に使うのか、どこにいったのかというと、要するに、来年度から知事がやろうとしているところの、いわゆるあなたが選挙で公約をされた高校生の医療費助成に使うと、この要求額は現時点で3億1,100万円となっております。40%上げることによって、これをきちんと確保して、そしてこれを高校生の医療費に使うと。 結局、今回の30%から40%ということは、選挙の公約の一つである、これを実行するために40%のシーリング、そういうことではなかったのかと言われても仕方がないと思うが、これに対する知事のご見解がありますか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 今回のシーリング率の引上げの根拠ということだったと思います。 今回のシーリングにつきましては、施策の優先度を踏まえて既存事業を見直したうえで、重点検討テーマに沿った施策を重点化するため、予算編成方針において、政策的な経費等のシーリング率を強化して財源を確保したところでございまして、今ご指摘の子育て施策の予算額から逆算して設定したものではございません。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 大体15億円確保して、その中で実質的に幾ら上がるのかといえば3億円なんです。今言ったように固定経費が1億円、それから、政策的なもので大体2億円と、15億円の中で、昨年度、12億円ということを考えますと、この実際的に使える3億円を何に使うのかと。 今言いましたように、捻出したこの財源で新しい県政をつくりたいというあなたの気持ちも、そういう事業もいろいろやっていきましょうけれども、現実には、あなたが選挙で公約された、いわゆる高校生の医療費の助成金、これが3億1,000万円、こういうものに充当すると、こう言われても仕方がないし、そのような受け止め方をしているところでございます。そういう意見もあるということを知事もよく受け止めていただきたいと思います。 それでは、本県を取り巻く財政を考えてみた時に、今、どんな長崎県の財政であるかと、こういうことについては、こんなふうに言われております。 まず第1番目に、想定を超えて税収が増加をしておりますと、今、本県の財政は想定を超える税収の増加になっておりますと、令和3年度は財政調整基金を取り崩さないで財政運営を行っています。大したものです。財政調整基金の3基金の残高総額は263億円、令和4年度の3基金も同規模の総額が見込まれていると言われているわけであります。 一方、県税の収入は最も大事でありますけれども、これまた順調でありまして過去最高と言われているが、知事、質問通告はしてないけれども、長崎県の県税の税収の令和3年度の実績については、知事はわかっていらっしゃいますか。質問通告はしてませんよ、どうですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 県税収入でございますね、約1,200億円と認識しております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 今、1,200億円と言われましたが、1,260億円です。当たらずとも遠からずだけれども、よくおわかりいただいていると思います。ありがとうございます。 1,260億円を超えているし、そのうち法人県民税、法人事業税の法人2税は、この1,260億円のうち288億円と、まさに最高となっていると言われております。 では、そういう要因は一体何なのか。コロナとか、いろいろ取り巻く経済環境は厳しいと、こんな財政で、例えば先ほども言ったように、財政調整基金も取り崩さないでやることができている。まあ、いろんな形の中で今非常に税が集まっている。しかしながら、税が集まれば地方交付金が減らされるということが一番頭の痛いことでありますけれども、今こうやって集まっているわけであります。 そうすると、知事、その要因は一体何なのかということ、これを私たちもよく考えて分析をしてみないといかんと思います。その要因は一体何かと言われれば、まさに成長分野の5つの分野、成長5分野と言われる製造業関係が極めて順調に推移していると、こういうふうに言われているわけであります。 知事、先ほどは県税収入もきちんとお答えいただきました。これもあなたに質問通告はしてませんよ。成長5分野とは、一体どういうものを言っているのかということ、製造業の中でどんなものかというのは、ご存じですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 5分野でございますけれども、航空機、半導体、AI、IoT等々の5分野だと、そういうふうに認識しております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 航空機は当たってますよ。半導体も当たってますよ。要するに、成長5分野は何かと、こう言ったら真っ先に半導体がきます。それからやっぱり造船プラント、これも非常に好調ですね。そしてロボット、それからあなたの得意な医療、そして航空機なんですね。こういう、成長5分野というのは、半導体、造船プラント、ロボット、医療、そして航空機なんです。 こういう県庁の順調な推移の中、地方消費税が令和3年度から平準化されたということも一つの要因であるということも、私どもはよく知っておかなければならないと思います。 知事、私がなんでこんなことを申し上げているか、私が何を言いたいのかというと、つまり、こういう一律40%などのシーリングを、こういう順調な製造業等などに、こういう懸命に頑張っている事業に一律にかけて、事業のやる気のなさ、結果を出している事業というものは、私たちは必ず大事にしていかなければいけない。いたずらに一律、こうやって40%のシーリングをかけて、やる気をなくさせるようなことでは、いかがなものかと私は思っております。 こういう実績をよくよく見て財源確保のいろんな動きをしていかなければいかんと思いますが、知事、あなたはその辺はどう思いますか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 現在も長期化する新型コロナウイルス感染症の影響であったり、また、エネルギー価格、物価高騰など、本県を取り巻く状況というのは本当に厳しい、予断を許さない状況であるとまず認識をしてございます。 そういった中で、やはり基幹産業ですね、造船プラントを含め、新産業の、今、5つの分野をおっしゃっていただきましたけれども、そういった分野、また、農林水産業等も含めて様々な分野、強い産業の育成に向けた支援も、また一つ大切なこと、県勢の発展に向けて欠くことのできない重要なものだというふうに考えてございます。 重点テーマに基づく主要施策指標においても、みんながチャレンジできる環境づくりという、その中で各種産業の分野の振興及びまたそれに携わっていただける人材育成についても、しっかり取り組むこととしております。 こういった認識の下で、今後の予算編成において、しっかり議論を進めていきたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 知事、確かに農林水産は大事ですね。今、製造業のことだけ申し上げたけれども、確かに今言われるような、例えば農業の新規就農者を確保するとか、農業には農業の課題があり、また、それをきちんと結果を出してくれていると思います。やっぱり結果につながるような事業をよく選別していただいて、何が頑張っているのか、どこから県税が入ってきているのかと、こういうようなことをよくよくチェックをしていただいて、どれをシーリングにかけるか。もちろん、今もやっていらっしゃいます。一律に40%をやろうとしているわけではないと、5%、10%というような、除外というのもあるということも承知をいたしております。どれにかけるか、どれを除外するかというようなことについては、もう少し議論をやらないといけないし、見える形の中でやっていただかないと、一生懸命頑張っている者がやる気をなくすような、そういう仕組みは絶対にやめてもらいたいということを強調しておきたいと思います。 知事、これからの大石県政の一番大事な財政を考えますと、あなたが今回、知事選挙で当選された、そのあなたはマニフェストを相当いろいろと考えておられます、県民に約束をされております。 そうしますと、あなたのマニフェストが総額幾らぐらい、これから必要な金額なのかと、こういうことを明らかにしなければ、長崎県のこれからの財政は、やっぱり大変だと思うんです。今回みたいに、あなたは違うと言うけれども、現実的には、こうやって高校生の医療の無償化みたいな、そういうものが出てきているわけですよ。確実に3億1,000万円、40%で3億円上がる、こういうもので帳消しというような格好になっていく。 だから、そういうことを考えていけば、あなたのマニフェストを、どれとどれをこの任期でやるのかと、このあたりをはっきりさせなければ、なかなか財政は組めないのではないかと、こういうようなことを考えます。 あなたが知事に就任されたのは3月2日ですよ、ようく覚えております。ちょうど9か月を経過したわけであります。どうですか、マニフェストを計算してみましたか。マニフェストの財源確保をどう考えているか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) マニフェストの実現に向けて総額はどれくらいかかるのかということについて、午前中にも前田議員からお話がありましたけれども、それは中・長期的な視点も含めてしっかりと検討していくことが必要だと思います。 現時点で具体的な数字というのは、持ち合わせてございません。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) ぼそぼそと言って何を言っているかわからなかった、知事。しかし、これはとても大事なことなんですよ。あなたが県政のあるじ、主役になると、これだけのことをやらせてもらいますよということで、あなたに投票したんですよ。 そういうような形でいけば、どれとどれをやるのか、いつまでにと、その財源は幾らかかるのかということを明らかにしながら、これからの大石県政の財政を考えていかないと、なかなか大変だと思うんです。いきなり、ある時にぽーんとシーリングあたりが40%だけど、今度は50%、60%とか、そんなことにはならんと思うけれども、そんなことは許されませんよと。もうちょっと計画的にやっていこうではありませんか。こういうことを申し上げたいと思います。 予算編成についての質問の終わりに、今回の高校生の医療費助成ですね。県内の高校生3万6,000人に対し、10分の10、約3億1,000万円の予算要求を考えていらっしゃいます。 しかし、最も重要なこと、これを見てびっくりしましたけれど、あなたは高校生のいわゆる医療費の助成については、償還払いでいくのか、あるいは現物給付でいくのか、その根幹的な問題がまだ明らかにされないというこの状況の中で予算要求をしているところに、率直に言って驚いております。 私は、子ども医療費については、ちょっと詳しかとですよ、勉強をよくしてきましたから、償還払いなのか、現物給付なのか、はたまた大村市のように委任払いなのかとか、これによって医療費が全然違う。これまで現物給付でやってみますと医療費がはね上がっていることは、これまでの事例からわかっておりますよ。 そのうえにもう一つ問題は、知事、いいですか、県内の市長さん、あるいは町長さんはじめ、21の市町からどんな話がきているかというと、知事のマニフェストの子ども医療費は、高校生までと、こういうふうになっているではないかと、私もあなたのマニフェストを見てみましたよ。そうすると高校生までとなってますよ。そうすると、高校生までというのは、小学生や中学生も当然一緒に入っておかなければいかんということです。 ですから、今回のあなたのやり方は、小学校あるいは中学校をどうするんですかと、現状のように県はほったらかし、市町でやりなさいよというスタンスですか。 そうすると、知事の選挙公約は、高校生だけなのか、あるいは高校生までなのかとか、この「まで」と「だけ」は大違いです。そんな声が方々から聞こえてきます。 知事は、その点をどう考えているか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 県内の小中学生を対象とした医療費の助成、これは議員もご指摘のとおり、現在、全ての市町のご努力によって市町単独で医療費助成が行われているところでございます。 小中学生への医療費助成については、引き続き市町の負担で実施いただいて、高校生世代については、県が費用負担して市町が事業を実施する方向で、現在、協議を進めているところでございます。 なお、現在、協議している内容は、最終形ではないと認識しておりまして、本来、子どもの医療費助成制度は、国の責任において整備すべきものであると認識をしております。 本県の取組を国の方にもしっかりと示しながら、今後とも、国への要望を強く実施をしていきたいというふうに思います。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 今のような答弁を聞いて、ああ、そうですかというわけにはいかんですたい、知事。また、私の質問に答えてない。償還払いでいくのか、現物給付でいくのか、はたまた何でいくのかと、これによって県の持ち出しが相当変わってくるわけですよと、3億1,100万円というのは、一体どっちの、現物給付で予算要求しているのか、あるいは償還払いで要求しているのか、どっちですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 現在の支給の方法ということについては、まだ協議中というふうに聞いております。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) その辺をね、知事、しっかりやってもらわないと、あなたはドクターで、子ども医療なんかにはとっても関心が高いし、また、あなたは子ども政策を充実させるということで、これからやっていこうということで、それが県民の皆様から支持されて、今、あなたはそこに座っているわけですよ。現物給付でいくのか、償還払いでいくのか、その辺のところはこれからの推移を見てと、どこから3億1,100万円も持ち出してきたのかと、この制度がはっきりしなければ、そんな金額がごろっと変わってくるということが一つ。 それから、小学生、中学生についても、あなたのマニフェストは高校生までと、こうなっているわけだ、高校生だけとはなってないわけだよ。「まで」というのは、いわゆる小学校、中学校の生徒も入るということ。 こういうようなことを考えていけば、そんなのは国でやってもらいたいとか、そんなようなことを言っておったら笑われますよ。その辺のところはもう少し、失礼だが、いろいろ関係の職員の方々から話を聞かれて、ようくひとつ吟味をしてもらいたい。こんなね、いわゆる大石県政の子ども政策がこの程度のことだったら、非常に失望を与えられると、あなたはドクターなんだから、それについて一番詳しいあなたであらなければいけない。むしろ、役人の方々をあなたがコントロールできるぐらいの勉強を積まれ、現実問題をクリアしてもらいたいと思います。 これは非常に大きな問題です。3億1,100万円で終わるのか、どっちの制度でいくのか、この辺はしっかりやってもらうことを強くお願いをしておきたいと思います。 それから、知事、時間がないから最後に一つお願いしておきますけれども、これからあなたが財源を確保する時に、これは誰が知事であろうとも同じことだと言えるけれども、もう正直言って、シーリングをそういうような形で引き上げて、そして40%とか、50%とか、30%とか、そんなようなことでちまちまして予算を確保することはできませんよ。あなたがこの9月に、これは来年の9月のことを言っているのかな、要するに、総合計画全体をあなたが見直したいと、こうおっしゃっている。これくらいの決意の中で、これをやっていかなければ、ただ言葉だけでは駄目ですよ。もうちまちまとした財源確保なんかはできない。このことはしっかりやってもらわんといかんけれども、最後にこの決意はどうですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 重点テーマに基づく主要施策などを進めて「新しい長崎県づくり」を目指していくため、これについては中・長期的な視点に立って長崎県の総合計画の一部見直しに取り組んでいく、これが必要だというふうに思います。 見直しに当たっては、概ね10年後を見据えたビジョンなどもお示ししながら、重点的に取り組む分野について、施策の追加、見直し、充実強化を図っていきたいというふうに思っています。 ただ、財源のお話もありましたけれども、今回、令和5年度の予算編成の方針においては、シーリングの強化及び固定経費等の見直しによって財源の確保を行いましたけれども、シーリングの強化や総点検だけでなく、多様な視点を持って施策の事業の不断の見直し等もしっかりとやっていきながら、今後、本県の発展に必要な予算に対する財源をしっかりと確保していきたいというふうに思います。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 時間がないからね、いろいろ言いたいこともあるけれども、有言実行でやってくださいよ。お願いしておきます。 (2)知事選挙での選挙運動費用収支報告書記載の電話代約402万円の内訳(費用、費目)について。 なお、この質問内容については、当然、知事の手元に届いているかと思いますが、具体的に質問内容を書いて質問通告をいたしておりますことを明確にこの機会に申し上げておきたいと思います。 まず、先の6月定例会のことです。同僚、中村泰輔議員の一般質問において、「電話代402万円の支払いについて、適切であり、問題ない、心配することはない」と県民皆様にメッセージを伝えてほしいと、その答弁を求められ、知事は、その質問に答えて、「私としては、公職選挙法にのっとり適切な知事選挙の選挙運動を行ったと考えている」と明確に答弁されたではありませんか。 また、中村泰輔議員が402万円の内容をただしたのに対し、知事は、「402万円はオートコールなどの通信費の支出である」と、これも明確に答弁されました。 そこで、まずお尋ねしますが、「402万円のオートコールなどの通信費の支出」と答弁されたこの「など」、これはどんな支出なのか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) ご指摘の知事選挙における選挙運動費用収支報告書の記載等に関する告発状、これが今年10月に関係当局から受理されたと伺ってございます。 私は、知事選挙においては、公職選挙法にのっとって適切に対応したものと考えておりますし、関係当局から要請があれば、当然、捜査に対しても協力をするつもりでございます。今後、関係当局が適切に判断されると思います。 ただ、事案の性質上、弁護士のご意見もお聞きしたうえで、選挙に関する質問へのコメントについては、今後の捜査に影響を与える可能性があるため差し控えることといたしましたので、その点をご理解いただければと思います。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) これはね、この刑事事件の捜査中のためと言っているんでしょう、あなたは。刑事事件の捜査中のために私の質問の答えは差し控えると。このいわゆる県議会議場というのは、県民の代表が集まるこの県議会、明確に具体的な質問内容を書いて通告しているにもかかわらず、答弁できないというのは、正直言って驚きです。理解ができません。 私はね、知事、いいですか、何もあなたの刑事事件について、私は問うているのではありません。6月定例会で中村泰輔議員に答弁された内容の確認をいたそうとしておりますし、また、10月12日に定例の記者会見で、いわゆる記者の質問に対して、ここで即答できません、はっきり覚えておりません、すみませんと、いわゆる回答を保留された。この内容を確認したいために、知事、あなたにお尋ねをしているんです。 もう一度改めてお尋ねしますが、402万円の内訳について、ご答弁をお願いします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 繰り返しになって恐縮ではございますけれども、告発書が受理され、関係当局による捜査が進行している状況において、事案の性質上、選挙に関する質問については、発言を控えさせていただきます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) 時間がないから急ぎますけれどね、ここに、実はあなたがね、ジャックジャパン株式会社の方にお支払いになったところの領収書、402万82円、ここにこの領収書があります、この領収書があります、これはコピーです、もちろん。(領収書掲示)この領収書のコピーに、「長崎県知事選挙通信費」、ただし書として「電話料金、SMS送信費等外」と書いてある。ここは要するに電話料金が、あなたが言うオートコール代ではなかろうかと推測をします。 中村泰輔議員のいわゆる質問に答弁しなかったSMS送信費というのは、これはショートメール、こういうところのお金ではないかなと、こう思っておりますし、その「SMS送信費等外」と、こう書いてある。このいわゆるただし書の「外は何の支出ですか」と、こういうことを聞いて、あなたが、捜査中のためにこれは言えないということ自体が私は理解ができない。 知事、あなたがいわゆる告発を受けているんじゃないでしょうが、あなたが今、被疑者じゃないでしょう、告発を受けている人でもないでしょう、いつからあなたが被疑者みたいなことを言っているんですか、(発言する者あり)なぜ、あなたが訴えられたと、こう言っているんですか。 だから、もっとこの議会は、質問通告に対して、当たり前のことを当たり前のように答弁しなければならない義務があなたにはあるわけです。(発言する者あり)そこをもう一つしっかりお尋ねしたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私の選挙における関係者に対する告発書が受理され、関係当局による捜査が進行している状況において、事案の性質上、選挙に関する質問については、発言を控えさせていただきます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) そうしたらね、そういう「外」ということが言えないということは、なんか正直言って失礼な話だけれども、なんかあなたにやましいことがあるのか。なんかね、問題になるようなことが、こうやって「外」のことを言うと、何かよっぽど捜査になんか響くんですか。私は、中村泰輔議員に答弁された「等」とか「外」とかいう、この支出が何なんですかということを聞いてるし、また、あなたは、領収書がここにあるように、(領収書掲示)「大石賢吾様」といって、あなた個人宛てに実は領収書がきて、ちゃんとただし書に、そうやって「電話料金、SMS送信費外」と書いてあるから、この「外」は何ですかと。 これを言えないということは、よっぽど何かあるんですかと、あなたがいわゆる訴えられているとか、告訴されているわけじゃないから、何もなければ堂々とこの場で、あなたは明確に答弁すべきじゃないかと思うけれど、やっぱりだめですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 繰り返しになりますけれども、私の選挙における関係者に対する告訴状が受理され、関係当局による捜査が進行している状況において、事案の性質上、選挙に関する質問については、発言を控えさせていただきます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) ちょっとね、知事、この「外」というのは、あなたは何の意味かということを知ってるんですか、自分で調べて知ってますか、どうですか。 ○議長(中島廣義君) 知事。
    ◎知事(大石賢吾君) 繰り返しになりますけれども、告発状が受理され、関係当局による捜査が進行している状況において、事案の性質上、選挙に関する質問については、発言を控えさせていただきます。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) なんでね、そうやって自分宛てに領収書がきて、自分のお金で払っているわけだから、その中身をですね、明らかにできないということ自体が、やっぱり告発状が受理されたということになってしまうんじゃないか。 あなたがですね、なんもですね、今、正直言って、さっき言ったけれど、被疑者とか、あなたが訴えられているわけではないわけだよ。だから、きちんと正しい選挙運動をやったんだと、だから、そういう領収書に書いてある「外」は、こんなようなことだよというようなことを調べたのか、調べてないのか、もう一度そこをしっかり答えてください。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 改めて申し上げますけれども、私としては、知事選挙においては、公職選挙法にのっとって適切に対応したものと考えております。 関係当局から要請があれば、当然、捜査に協力するつもりでございまして、今後、関係当局によって適切に判断がされるものと考えております。 事案の性質上、選挙に関する質問へのコメントは差し控えたいと思います。 ○議長(中島廣義君) 小林議員-35番。 ◆35番(小林克敏君) ちょっとここはね、よく検討せんと、県民に不安を与えるような発言をすべきではないと、このことを申し上げて、終わりたいと思います。 ○議長(中島廣義君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、3時15分から再開いたします。     -午後3時1分 休憩------------------------------------     -午後3時15分 再開- ○副議長(山口初實君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) (拍手)〔登壇〕議席番号9番、自由民主党、諫早市選出、「いさはや愛」、そして「ながさき愛が原動力!!」の千住良治でございます。 昨年の3月に貴重な議席をおあずかりしまして、今回で3回目の一般質問となります。 このような一般質問の機会をいただきました先輩議員の皆様方に大変感謝いたしております。ありがとうございます。 本日は、サッカーワールドカップ、日本対スペイン、キックオフから間もなく12時間、昼は街頭キャンペーン、そして、先ほどの小林議員、傍聴席が満席の後というこのうえない条件がそろった中での一般質問となりますが、(発言する者あり)しっかりと頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 今回も、ちょっと欲張りすぎましたので、早速質問に移らせていただきたいと思います。 議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして、一問一答方式にて進めさせていただきます。 知事、教育委員会教育長、関係部局長の皆様、よろしくお願いいたします。 1、福祉行政について。 長引くコロナ禍、食料品、生活日用品など、相次ぐ値上げをはじめとする物価高騰、さらに、電気、ガス、ガソリンなど、エネルギーの高騰により、県民生活は厳しいものとなってきております。 全国的に見て、平均所得の低い我が長崎県においては、大きな問題ではないでしょうか。 政府も、原油価格、物価高騰等、総合緊急対策を実施しているところでございますが、ウクライナ情勢や円安の状況は、今後も先行きが見通せず、物価高騰の長期化が懸念されております。 そのような中ではありますが、西九州新幹線の部分開業や全国旅行キャンペーン、イベント等のコロナ対策規制の緩和により人流が生まれ、街も活気が戻りつつあるようにあると思います。 県民生活が苦しい中、9月定例会においては、旅行支援や認証店キャンペーンなど、比較的余裕のある方への経済対策ばかりだったと記憶しております。生活が厳しい方への支援は、あまりなかったように思います。 子ども政策へ力を入れる大石県政において、子どもの貧困やヤングケアラーなど、多くの課題に今後取り組まれていくものと思います。 今回は、ひとり親家庭への支援、そして、民生委員・児童委員について、お聞きしていきたいと思います。 (1)ひとり親家庭について。 ①県内の現状について。 今年8月から9月にかけまして、私が所属しております諫早西ロータリークラブでは、諫早市内のひとり親家庭へのアンケートを実施いたしました。諫早市に協力をいただき、7月にひとり親家庭への一年に一回の現況調査を送る際に、独自のアンケートを同封していただきまして実施いたしました。 諫早市には、約1,600世帯のひとり親家庭があるということでございましたけれども、長崎県内においてのひとり親家庭の現況をお尋ねします。 以下の質問は、対面演壇席にて行います。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 令和2年に実施された国勢調査結果によると、県内のひとり親家庭数は、母子世帯が8,678世帯、父子世帯が831世帯、合計9,509世帯となっております。 また、令和2年度に実施した県内の児童扶養手当受給者を対象としたアンケートによると、家計、子どもの教育、仕事に関する悩みを持つと回答した方の割合が高く、また、経済的な支援の充実を希望する世帯が約60%という状況になっております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 約1万世帯ほど、ひとり親家庭があるということでございました。 実は、諫早西ロータリークラブでもアンケートを取りました。質問内容は、5項目と記述が一つということで、「新型コロナウイルス感染症の流行がはじまって3年たちますけれども、生活において、どんな変化がありましたか」、「現在の生活状況はどうですか」、「今、困っていることは主に何ですか」、あるいは、「今、ほしいものは何でしょうか」、最後に「どんな支援を望まれますか」というアンケートを取りました。最後に、本当自由に書いてくださいという項目を取りました。 その中でも、やはり今、お話がありましたように、どうしても生活が大変苦しいと、そういう方が約7割ございました。今困っていることは、家計、あるいはお子様の教育について困っているというような意見がございました。 ②現在の取り組みと今後の対策について。 ひとり親家庭への取組支援、また、今後の取組については、どのように考えておられるのか、県の見解を求めます。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) ひとり親家庭に対する自立支援といたしましては、経済的支援、就業支援等の取組を推進しているところであります。 経済的支援といたしましては、児童扶養手当の支給に加え、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した、国による特別給付金の支給等がなされてきたところであります。 また、ひとり親世帯を対象とした「母子父子寡婦福祉資金貸付金」の償還に当たって、借受人等の申し出により償還期限の延期などの柔軟な取扱いを実施しているところであります。 就業支援につきましては、母子父子自立支援員や、長崎県ひとり親家庭等自立促進センターによるきめ細やかな就業支援をはじめ、自立に向けた技能習得のための自立支援教育訓練給付金の支給や、高等職業訓練促進資金の貸付け等も実施しているところであります。 県といたしましては、今後も、自立につながる支援情報を掲載した「NAGASAKIこどもの夢応援ガイドブック」を各家庭に配布し、必要な情報を提供するとともに、相談対応によるひとり親家庭の様々な状況に応じた支援を行ってまいります。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 様々な取組がなされていると思うんですけれども、なかなか県独自で、そのアンケート結果を活かした取組というのはあまりなされてないような気がいたします。 ③どのような方法で声を拾っているのか。 その中で、先ほどちょっとお話がありましたように、ひとり親家庭の現状を把握するためにアンケートも取られているということでございましたが、どのような方法でそういったアンケートを取られて、その声をどう活かされているのかをお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 先ほど申しましたアンケートでございますけれども、市町にご協力をいただきまして、おおむね2年に1回、児童扶養手当受給者を対象にアンケート調査を実施しております。 また、長崎県母子父子寡婦福祉連合会や、ひとり親家庭等自立促進センター、県・市福祉事務所に設置している母子父子自立支援員などを通して、地域のひとり親世帯の状況やご意見をお伺いしておりますし、併せて、きめ細やかに相談対応をしているということでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) その令和2年度のアンケートを、どのように分析をされているのでしょうか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 令和2年度に実施いたしましたアンケートを基に、先ほど申し上げましたような就業の支援でありますとか、それから、支援が届きにくい世帯というのが母子父子寡婦世帯の中には非常に多くございまして、そういったところに支援を届ける仕組みといたしまして、地域の中に子ども食堂等の子どもの居場所を設けまして、そちらから支援を届ける仕組みをつくったりするなどして、必要な支援の仕組みがしっかり届くような取組を今やっているところでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ④民間との共同による取り組みについて。 子ども食堂とか、先ほどの質問の中にもありましたフードドライブというのは、今、県内各地で民間の団体によって行われているということを私も認識しております。来年度からは、国の補助金を使って支援をしたりとかというお話もございましたので、大変いいことだと思うんですが、今現在、県が民間と共同して行っている取組等はあるんでしょうか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 県におきましては、長崎県母子寡婦福祉連合会の母子相談協助員の育成に対して支援を行いまして、地域の母子家庭への相談支援を担っていただいているところでございます。 また、ひとり親家庭は、子育て、就労、生活などの面で様々な困難に直面していることも多いことから、支援が必要な子どもや家庭をできるだけ早期に発見し、支援につなぐ仕組みを構築するということが必要でございまして、先ほど申しましたように、県といたしましては、地域における子ども食堂などの居場所の運営や、食材等の支援を行う民間団体等の立ち上げに対する支援等にも努めております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ひとり親家庭への支援等は、各市町が主体となって行うというのが当然だとは思うんですけれども、ぜひ、県ももうちょっと積極的に関与していただけたらなというふうに思っております。 今、「長崎県子どもの貧困対策推進計画」が令和2年度から令和6年度までの計画であると思うんですけれども、実際、その令和2年度というのは、新型コロナウイルス感染症がまだはじまる前といいますか、はじまった直後であると思います。その計画の見直しというのは必要ないんでしょうか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 貧困計画の見直しは、定期的に実施をすることにしておりまして、来年度、計画に備えた調査の方を改めてするようにしております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ぜひ、早急に行っていただきまして、対策をお願いしたいというふうに思います。 実は、ロータリークラブで取りましたアンケート、実際1,600世帯に送ったんですけれども、返答は227世帯でございました。我々としてみたら、思ったよりも多かったかなというふうに思います。その中のアンケートをご紹介したいと思います。かなり切実な声もありましたので、ご披露させていただきます。 まずは居住についてですけれども、「引っ越しはお金もかかるし、保証人の問題もあり、県営・市営住宅もありますが、どのように借りられるのか明確ではないので、もう少しわかりやすく説明会や借りる時の相談セミナーなどがあればいいと思います」 次、「前年度まで扶養手当を受給していたが、収入が増えたことで全額支給停止となった。フルタイムで働き、子どもとの時間があまり取れない。お金が必要で頑張っているが、子どもとの時間も大切にしたい。受給資格を見直してほしい。不正受給している人は山ほどいる」というようなお話。 あるいは、「コロナの影響で保育園や学校が休みになった時の預かり先の確保、仕事をしないといけないのに出勤できない状況での収入の低下、ファミリーサポートにも、まだ少し抵抗があり、お金がかかるので安易に活用できません」、あるいは「子どもが身体障害者で、しかも一人っ子なので、親がいなくなった後がとても心配です」、「経済的余裕がほしく、国家試験を目指しても、働きながらだとなかなか難しい。シングルは家賃補助的な支援があれば大変助かります」 あと、「ひとり親世帯で、時々親も子も息が詰まりそうになる時があります。余裕がない時は、子どもに辛い思いをさせてしまっている自覚があり、とても気持ちが重くなります。気軽に話せる機関やサービスがもっと普及してほしいです」 「物価が上がり、食品を買う時に悩みます。でも、子どものお弁当の手を抜くと本人もかわいそうだし、いじめられそうで困っています」 「健康維持には気をつけていますが、高齢で出産し、親の介護もあり、今後、子どもをヤングケアラーにしてしまわないか心配です」、こういった声も挙がっております。これはごく一部なんですけれども、後ほど、こども政策局の方にもお渡ししたいと思いますので、ぜひ参考にしていただいて、次年度、活かしていただきたいと思いますが、大石知事、今、こういったアンケートのお声をお聞きになりまして、子ども政策に今から力を入れていかれると思いますけれども、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 今、ロータリークラブの方で実施いただいたアンケートの結果をお聞きして、回答率2割弱ぐらいだったかと思いますけれども、やはり切実に思われている方こそ、やっぱりお答えになられたのかなと思いますし、今いただいた情報も、後々、また確認させていただいて、今後の施策の検討にも活かしていきたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。我々も精いっぱい頑張っていきたいと思っております。 そこで、アンケートの中に相談できる相手がほしいと、相談できる場所がほしいということも挙がっておりました。 (2)民生委員・児童委員について。 民生委員・児童委員につきましては、昨年6月の定例会でも質問させていただきました。内容は、定数の見直し等もありました中で、ぜひ各市町の声を聞いていただきたいというような声で行いました。その声を聞いていただいて、私たち諫早市内の方からは、県に対して大変感謝の言葉をいただいております。 ①12月改選を迎えたが、県内各地の現状について。 民生委員・児童委員については、3年に一度の改選期で、昨日の12月1日に改選を迎えました。少子化、核家族化が進み、コロナ禍である現在、民生委員・児童委員の相談支援の役割は、これまで以上になり、ますます重要になってきているかと思います。 そこで、昨日、12月1日に民生委員・児童委員の改選を迎え、新しく任命された方も多いと思いますけれども、改選を迎えて、県内各地の現状について、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 県が所管する中核市以外の市町では、一斉改選の結果、定数1,971人に対しまして、現時点の委嘱数は1,859人であり、充足率は、前回、令和元年の改選時と同じ94%となっております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ②今回の改選に当たり、これまでの課題解決への取り組みについて。 94%ということで、まだまだ、100%任命ができれば一番いいんですけれども、なかなか地域の方からは、やっぱりなり手がいないとか、かなり選任に苦労されているところも多うございます。 「一人で担うことは負担が大きい」などの声をよく聞くわけでございますが、今回の改選に当たり、前回も約94%の充足率だったということで、前回の選任が終わった後、今回に向けての課題や問題点に対して、何をどう取り組んでいったのか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 民生委員・児童委員について理解を深め、より多くの方々に活動していただけるよう、全世帯広報誌に具体的な活動内容を掲載したほか、退職者団体を通して募集チラシを配布するなど、周知広報に努めてまいりました。 また、民生委員・児童委員の適正配置に向け、市町の担当者や協議会との意見交換を継続的に実施し、受け持ち地区について、必要に応じ現地で確認させていただくなど、地域の実情や活動状況をお聞きしたうえで定数を設定いたしました。 改選で欠員が生じた市町は、自治会活動がなく、地域のつながりが薄い地区や、住民の多くが高齢者の地区などで確保ができていない状況ですが、今後も引き続き、候補者の情報収集に努め、充足率の向上を目指しているところでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 昨年も、テレビコマーシャルで民生委員の方のCM、「近くに民生委員がいますよ」というようなコマーシャルがラジオ等でも流れておりました。大変いいことだなと思います。 ③3年後の改選に向けての課題や取り組みについて。 今回の改選で、まだ選任されていないところは、随時任命があるかと思いますけれども、3年後はまた改選を迎えるわけでございます。 現在のなり手不足を考えますと、現在の取組を繰り返しているだけでは改善はされないかなと思います。 さらに、なり手不足を招くことにつながってくる懸念もあることは事実だと思います。そうなると、大変重要な役割を持つ民生委員・児童委員の方が不在の地域においては、その役割を担う存在がいなくなるということで、地域福祉や住民のコミュニティの核を失うこととなります。そうならないためにも、なり手不足の要因と言われております広報、あるいは民生委員・児童委員ってどんな役割を持っているのか、誰が担っているのかなど、特に、若い世代の方々には知らない方が多いんじゃないかなというふうに思います。 また、定年の問題ですね。新規に任命される方は72歳未満というような決まりもあるということでございます。ほかにも役割の重責や、どのように活動していくのか、不安が大きい点などが挙げられると思います。 そこでなんですが、例えば改選前の年なんかに、1年前、2年前などにサポート隊として、現職の方と次の候補というか、なってもいいよというような方なんかを一緒に、一年間を通じて活動されて経験をしてもらったりしてはどうかなと、その準備期間があることによって、次の年の活動がしやすくなることにもつながると思いますが、それはどうかなと思います。 大変効果的じゃないかなと私自身は思っておるんですが、次の3年後の改選に向けて、これまでの課題解決、どう取り組むのか、見解を求めます。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 民生委員・児童委員は、高齢者の見守り、子育てや生活の相談支援など、活動が多岐にわたり、また、市町協議会の会合や研修の多くは平日昼間に行われることなどから、時間的制約が比較的少ない方にお願いしている現状がございます。 そのため、仕事をされていても両立できるように、ICTの活用などによる業務の負担軽減や、住民の生活課題の複雑化、多様化に伴い、増加している役割の見直しなど、活動に参加しやすい環境づくりを進めることが必要と考えております。 先ほどご指摘いただきました協力員に関しましては、幾つかの県で導入されておりますが、協力員自体の担い手が確保できないといったようなお声もありまして、いろんな課題はございますが、他県の取組を参考にしていきたいと思っております。 現在、県としましては、県及び市町協議会が実施する研修において、メールやLINEでの情報共有や動画配信の紹介など、負担軽減につながるデジタル化の視点を取り入れるとともに、市町に対し、他自治体での先進事例を情報提供して取組を促進するなど、連携した幅広い世代で、なり手を確保できるように努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 実践してみることが一番いいかなと思いますので、ぜひ、チャレンジしてみてはどうかなと、そうする価値はあるんじゃないかなと思います。 また、ICTの活用というようなお話もありましたけれども、ぜひ、皆さんが使いやすいような形のものを使っていただければ、また抵抗も少なくなるんじゃないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 2、教育行政について。 (1)不登校対策について。 昨日の同僚議員の質問の中にも不登校対策についてございましたけれども、私は、別の視点から質問したいと思います。 ①現在の不登校の児童・生徒への取り組みについて。 先日、昨年度の学校へ行けない児童・生徒の数が過去最高の数値となっているというようなお話もございました。発表がなされております。 県内においては、公立小・中・高校で2,784人と、前年から505人増加ということもお聞きしております。正直、多さに大変驚いたところでもございますが、コロナ禍もあるということで、生活のリズムの乱れ等があって、様々な要因が挙げられると思いますけれども、そういった中で、先生方はその一人ひとりに向き合い、接しておられることと思います。最終的に登校できるようになるのが、本人のために一番いいことであると思いますけれども、段階に応じて、子どもたちの学習環境づくりが大変重要になるかと思います。 そこで、まず、不登校の児童・生徒が年々増加している現状で、不登校の児童・生徒に対する支援対応について、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 昨年度の本県の不登校児童・生徒数、これはご指摘のとおり過去最高となっております。その支援を重要課題として、引き続き、効果的な取組を行っていく必要があると考えております。 このような中、各市町におきましては、教育支援センターでの支援や、あるいは家庭訪問等によるアウトリーチ型の支援が行われておりまして、県におきましてもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置をはじめとしました教育相談体制の充実に努めているところでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ②出席の取り扱いにおける基準について。 県や市町においても、様々な対策が行われてきていると思いますけれども、年々増加してきているというのが現実だと思います。登校できない子どもたちの学習の機会をいかに確保してあげるかというのも重要なことではないかと思っております。 先ほど、教育委員会教育長の答弁の中にもありました教育支援センター、あるいは、前回から質問もいろいろと挙がっておりますフリースクール等は、学習機会の確保には大変重要な役割を持っていると思います。 しかしながら、21市町に全てあるわけではなく、教育支援センターは14市町ですかね、フリースクールについては一部の市町にしかないとお聞きしております。 フリースクールに通うとしても、送迎はもちろん、経済的な負担が大きいとお聞きしております。ある方は、フリースクールに通わせるために仕事を辞めることも考えないといけないということもおっしゃっておりました。 一方、市町にある教育支援センターやフリースクールにも通うことができない子どもたちもおります。一人一台の端末の貸与が、今なされている状況の中で、ICT等を活用した環境整備も必要ではないかなというふうに思います。 あくまでも、登校するのが一番、登校してもらえるようになることが一番だとは思っております。 ③一人一台端末を活用したICTによる学習活動を行った場合の出席の取り扱いについて。 そこで、現在、不登校の児童生徒に対して、一人一台端末など、ICT等を活用した学習支援を行っている市町はどれくらいあるのでしょうか。 また、文部科学省は、自宅においてICT等を活用して行った学習活動について、一定の条件を満たす時は、指導要録上、出席扱いとすることができるという通知を出していると思います。ICT等を活用した学習を行った場合、出席扱いとしている市町はどれくらいあるのか。さらに、出席扱いの基準は、県内全ての市町で同一なのかをお聞きします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 現在、不登校の児童・生徒に対して、一人一台端末を活用した学習活動につきましては、ほとんどの市町で実施されております。このうち、14市町で出席扱いとするケースがあったものとお聞きしているところでございます。 この場合の出席扱いにつきましては、学校と保護者の連携が取れていることや、訪問等による対面指導が適切になされていることなど、文部科学省の通知に示されている基準に基づきまして、一定の要件を満たしている、そのような場合におきまして、最終的に学校長が判断するということになっております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 21市町で14市町ですから、3分の1の市町で出席扱いがまだなされていない。いろんな条件があると思いますので、そこはそこでいいと思うんですが、登校ができない児童・生徒にしてみれば、この学習の遅れというのは、今後、登校するに当たっての高い障壁になるんじゃないかなと思います。その壁をできるだけ小さくするためにも、ICT等の活用は大事ではないかなと思うわけです。 出席扱いの基準についても、最終的には各学校の校長判断になるということでしたが、全ての子どもたちが、将来的に学力もきちんと身につけ、進学や次のステージに進んでいけるよう、県が市町に対して、出席扱いにかかる具体的指針を示すなど、ICT等を活用した支援体制が整備されていくべきではないかと考えております。教育委員会教育長、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 今、ご指摘にありましたとおり、ICT等を活用した学習活動につきましては、家から出ることができない、あるいは近隣に教育支援センターやフリースクールがない子どもたちの学習機会を確保するうえで有効な手法であると考えております。 一方、市町によりましては、先ほどの文部科学省通知の趣旨を踏まえた出席扱いの検討が十分になされてない現状もあるのじゃないかと考えております。 このため、今、ご提案にございました出席扱いにかかる留意事項等を盛り込んだガイドライン、これを県の方で策定しまして、今後、市町の方にも示しまして、不登校児童・生徒の進路補助につながるような、そういった取組を市町教育委員会とも連携してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) いろんな先生方とお話をすると、先生方、本当いろいろ取組をされているなと、本当に思っております。それが、実際、子どもたちに形としてあらわれるように、今後とも、ぜひ、よろしくお願いしたいというように思います。 (2)公立高校の入試と私立高校の推薦入試について。 ①3年目を迎える公立高校の入試について、これまでの課題と取り組みについて。 県立高校において、入試制度が令和2年度に現在の入試制度に変わったと思います。今年で3年目を迎えるわけです。 ちょうど私の次男が令和2年度に中学校3年生でございまして、戸惑いと淡い期待を持ちながら入試に臨んだのを思い出します。 その新しい制度においては、各学校の特色を出しやすくするための入試制度となっており、特色選抜については、特に、各校が目指す学校像に向けた入試内容となっているんじゃないかなと思います。 子どもの数が減ってきている中で、学校側としては、定員の確保や特色ある学校へ、生徒側からすると、前期・後期と2回試験がございまして、長崎の場合は受験校を2つ選択できるというようなメリットもあります。 しかしながら、一方で、課題も出てきているんじゃないかなというふうに思います。 今年で3年目を迎えますが、前期・後期の入試制度となった、これまでの2回の入試をどのように総括し、今後はどのように取り組むのか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 公立高校の入学者選抜試験につきましては、今、ご案内がありましたように、令和2年度から前期と後期に分けまして、前期試験では、小論文やプレゼンテーションなど、教科の学力だけではなく、生徒の持つ多様な能力や意欲を評価できる選抜を行うこととしているところでございます。 この前期試験では、従来の入試試験と違いまして、今、お話がありましたように、生徒が希望すれば、全ての受験生が自ら行きたい学校を選んで受験できるというメリットはございますけれども、一方、前期試験で不合格となったことで、その後、学習意欲が低下して、後期試験をあきらめた生徒がいたというようなお話も伺っているところでございます。 前期・後期制も3年となりましたので、よく中学校、高校の学校関係者をはじめ、保護者や受験を経験した高校生など、様々な立場の皆さんからご意見を聞きとりながら、現行制度の検証も行いながら、今後、よりよい入試制度となるよう努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 当初の令和2年度の試験よりも、令和3年度の方が前期試験を受ける子どもの数が減っているということであれば、だんだん定着はしてくるのかなというふうに思いますが、さすがに、なかなか前期試験は厳しいとわかっていても、やっぱり中学生は不合格というのを見ると、大変精神的なショックを受けている子も非常に多いとお聞きしますので、ぜひ、そのあたりも踏まえて検討をお願いしたいというふうに思います。 ②私立高校における特別入試について。 県立高校の入試制度が令和2年度から変わっております。 前期の特別選抜においては、中学校から推薦が必要なくなったと認識をしております、県立高校においてはですね。 一方、私立高校のいわゆる特待生と過去言われていた特別入試については、中学校からの推薦について、現在どのようになっているのか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 県内の私立高校の令和5年度入試につきまして、全日制22校ございますけれども、このうち20校で中学校長の推薦を必要とする特別入試が実施される予定と聞いてございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 現在、県立高校の場合は、自分での推薦ということですので、中学校長の印鑑は要らないと、推薦状は要らないと、一方、私立高校は、制度上、中学校長の推薦が要るということの学校が、今、22校中20校ということでよろしいですね。 そこで、中学校において、私立高校から、いわゆる特待生と言われて声がかかるわけですね。例えば、競技であったり、吹奏楽なんかももちろんそうだと思うんですけれども、特待生として声がかかった場合、高校から連絡があって、各家庭に連絡がいきますと、各家庭で実際その話を聞くか、受けるかという返事を出すわけですけれども、その後、中学校にて、今でいけば私立高校だけですけれども、私立高校の特待生に推薦委員会というのが開かれまして、その子を学校として推薦するか、しないか検討すると聞いております。 推薦委員会にて推薦できないという判断で、特待生として高校へ入学できないケースも、過去に私も経験しております。私が経験しているわけじゃないですけれども、私の教え子が経験したわけですけれども、そういうこともあります。 今後、部活動も学校生活の一部ということで、教育の一環であるということであれば、その部活動の評価はもっときちんとすべきじゃないかなというふうに私は思うわけです。 今後、部活動の地域移行も進んでいくのであれば、その部活動の評価をどうやってやるのかと、大変疑問に思うところもあるんですが、その子の活動を評価して、高校側から声がかかるのであれば、学校として見たら、できる限り進路実現のために後押しをするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) スポーツ等の推薦によります進学を希望する生徒に対しましては、部活動での努力、あるいはその成果をたたえるということは重要でございます。 また、それに合わせまして学習面、あるいは生活面におきましても、教師が教え、導くことで人間的な成長を促し、できる限り進路の実現を目指していくということが大切であると思っています。 また、今後、今のご指摘、部活動が進んでまいりますので、それは学校だけじゃなくて、学校と地域の指導者の皆様が情報を共有して、連携して生徒の進路実現を支えていくという必要があると考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ぜひ、学校と地域との連携、あるいは指導者との連携を、もうちょっと深くしていただいた方が、子どもたちの進路実現のためには、それが一番必要じゃないかなと思いますので、ぜひ、その辺も注視していただけたらと思っておりますので、よろしくお願いします。 (3)部活動について。 現在、令和5年度から令和7年度に向けての中学校部活動地域移行に向けての検討委員会が、各市町にて行われているとお聞きしております。 スポーツ庁からのガイドラインを基に、各市町において具体的に進んでいくものと思いますが、現在の中学生だけでなく、保護者、また小学生のお子さんを持つ保護者の方々も、この部活動の地域移行については大変気になっておられるところでございます。 地域移行が中途半端になってしまいますと、競技力の面を考えますと、中学校の部活動では十分な活動が、指導が受けられなくなる。そうなると、地域にあるスポーツチームへ行かざるを得ないというようなお話も聞きます。 私自身、中学時代は、地域のスポーツ、野球チームに入っておりまして、中学校の部活動は1年間だけ、駅伝部というところに在籍をしておりまして、2つやっておりました。 大人になって、中学校の仲間、同級生、その集まりを見ると、この中学校の部活動の仲間のつながりというのは、社会に出て一生の宝になるなというふうに私は思いました。 その経験から、中学校部活動の指導者として、これまで同級生の仲間づくり、あるいは、一生の宝をつくる部活動となるように心がけて指導をさせていただきました。 しかしながら、このままでは、その一生の宝となる部活動がなくなってしまうんじゃないかなというところもあるんじゃないかなということで、大変危惧をいたしております。 地域移行がなされても、費用、場所、時間等の障害がなく、誰もが参加でき、心身ともに大きく成長し、一生の仲間づくりができる学校の部活動であってほしいと願っております。そういった願いを持ちながら質問させていただきます。 ①長崎地裁での和解内容について。 先日、長崎地裁の方で、「部活動は労働時間と認定」と、「私立高校と教員が和解」というような記事が出ておりました。その和解内容について、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) この私立学校を運営する学校法人によりますと、「部活動の顧問として従事した練習の指導、各種競技会の引率、遠征や合宿時の移動、活動計画の策定、ミーティング及びこれに付随する活動のうち、学校の明示、または黙示の指示に基づく活動時間は労働時間と認め、法定労働時間を超えた場合には、割増賃金を支払う」ということにつきまして、原告である学校職員と学校法人の双方が確認したものというふうにお聞きをしております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 部活動が労働時間ということ、様々な業務がありますので、現場にいるだけじゃなくて、いろいろあるので、そういったのも労働時間ということに認定されたと。 実は、この和解の影響が、今後、ちょっと大きく出てくるんじゃないかなと、大変心配をしているところです。 先生方の中には、教壇で学習を、教科を教える授業だけでなく、部活動の指導を夢見て先生になられた方もたくさんおられると思います。 部活動を通じて子どもたちの成長を後押ししたいという先生も多くおられると思います。 現実に、本当に部活動を頑張っておられる先生方、たくさんおられます。そういった先生方に、働き方改革からはじまってきたこの流れによって出る影響を、限りなく少なくなってほしいなと思っておるわけでございます。 ②中学校の部活動地域移行の現状と指導者資格の義務化の方向性について。 現在、中学校の部活動の地域移行について、いよいよ令和5年度から、早いところはスタートするかもしれないと、令和5年度から令和7年度までの間にするということですので、現在、どのように進んでいるのか、お聞きしたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 現在、国において、地域移行に関する「総合的なガイドライン」を策定中でございます。これを参考に、それから、また、県の方で外部有識者からなります検討委員会も設置しておりますので、そういった皆様のご意見もいただきながら、本県版の部活動移行に関するガイドラインを策定する予定としております。 一方、各市町の方におきましては、それぞれ移行に向けたスケジュールや環境整備につきましての検討が、今、進められているところでございますので、今後、先ほど申しました国や県が示すガイドラインを参考に、具体的な活動方針や内容を取りまとめていくということになります。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 文化部も同じような形でしょうか。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 文化部に関しても、国の方から同様の指針も出ておりまして、先ほどの第三者委員会もスポーツと文化を合同するような形で取りまとめていきたいと思っているところでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 毎回、部活動のことをお聞きするわけですけれども、やはり子どもさんを持つ親御さんにしてみたら、大変気になるところでございます。 実際、来年の春からはじまるのか、中総体が終わった後からはじまるのか、それとも令和6年度からはじまるのかというところで、大変気にされております。 一度、「げんき広場」ですかね、広報誌に部活のことがちょこっと載ったわけですけれども、あれだけでも大分親御さん方は、来年こうやって動くんだということで、中体連に地域のスポーツチームも行けますよということが載っているだけでも、やはり情報が出たということで大変喜ばれておりました。 検討委員会がなされると思いますけれども、そういった情報を、ぜひ、適宜出していただけたらと思うわけですが、実際、中学校のもう一つ気になるのが指導者の方でございます。部活動が地域移行になった時に、例えば、競技の方にいきますと、スポーツコーチや、いろんな指導者の資格があると思うんですが、その指導者の資格の義務化について、今現在、どのように動いているのか、お聞きしたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 指導者資格の義務化につきましてですけれども、これにつきましては、国の方で競技団体等が主催する大会に参加する監督、コーチにつきましては、「公認スポーツ指導者資格」の取得を義務づける方向でございます。 これを受けまして、現在、日本スポーツ協会におきましては、より多くの指導者の皆様が資格取得を目指せるような制度について検討が進められているところでございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) その公認スポーツ指導者資格なんですが、私は2つの競技で持っているんですけれども、実は取るのにもお金が非常にかかると、5万円近くかかるんですよね。年間の登録費もかかる、4年に一回の更新料もかかるということで、結構な負担になるわけですよ。 そういった形が、今度、部活動の地域移行に伴って必要になると、そういったところも負担になろうかなと思いますので、ぜひ、そういったところもちょっと頭に入れておいていただいて、今後、計画を作成していただけたらと思っております。 ③高校部活動については今後どのように変わっていくのか。 現在、中学校の部活動の地域移行が進んでいくわけなんですが、それでは高校の部活動については、今後、どうなっていくのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 高校におきましては、多様な教育活動が行われておりまして、部活動に特色を有する学校もありますことから、また、生徒自らの意思で進路決定をするなど、中学校とは異なる状況にありますことから、現時点では、国においては地域移行の対象とはしておりません。 ただ、高校の部活動につきましても、少子化の影響によります様々な課題や、また、中学生の地域移行によるスポーツ活動の動向、そういったものも踏まえながら、今後、部活動数の見直し、あるいは地域人材の活用、学校種を越えての合同練習など、将来にわたって持続可能な子どもたちのためのスポーツ環境を、今後、検討していく必要があると考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 高校の部活動は、今のところは予定がないというようなことかなと思います。 ④地域移行後の教員の関わり方について。 あと、気になるところが、地域移行後なんですけれども、今現在、指導されている教員の方の関わり方についても大変気になるところでございます。 地域移行になりますと、指導者に対して報酬が発生するところも出てくるかと思うんですけれども、そうすると、教員は兼業ができるかどうかというようなところも大変気になるところではありますが、教員は兼業できるようになるのかどうかをお聞きします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 部活動の地域移行後、地域クラブ活動での指導を希望する教員につきましては、勤務地の市町教育委員会から、兼職兼業の許可を得て指導することが可能になります。 ただ、兼職兼業の許可に当たりましては、教員の意思を十分に確認しますとともに、勤務地における業務への影響、教員の健康面への配慮などについて、今後、勘案していく必要があると考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ちょっと安心しました。 先ほどから部活動の地域移行については、国のガイドラインを今待っている状況でもあるということだと思うんですけれども、過疎地域、あるいは離島を持っていますこの長崎県においては、やはり独自のガイドラインが必要じゃないかなというふうに思うわけです。 先生方の引き続きの指導であったり、部員の減少による、例えば大会への参加、中総体への参加の柔軟な出場資格、あるいは費用や活動場所、時間など、本当に長崎県の実情に合わせた形での長崎県独自のガイドラインの作成が必要じゃないかと、私は強く思うんですが、そこはいかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) これは、議員ご指摘のとおり、国のガイドラインが示されますけれども、離島・半島を有している県独自のいろんな事情もあると思います。国のガイドラインを参考に、先ほど申しました第三者委員会の皆様の意見、あるいは関係者の意見、そういったものをくみ上げながら、長崎県独自のガイドラインを策定していきたいと思っております。
    ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 子どもたちにとってみたら、その一年は、そこしかないわけなので、ぜひ、独自のガイドラインをつくっていただいて、子どもたちが精いっぱい活動できるところをつくっていただけたらというように思いますので、よろしくお願いします。 (4)コミュニティ・スクールについて。 これまでも質問をさせていただきましたコミュニティ・スクールについてでございますが、実は、九州の中でも、特に、設置が遅れているというようなところをお聞きしております。 今までは、「学校支援会議」というような会議もあったとは思うんですけれども、私もそこにPTA会長として参加していたこともあるんですけれども、先進地では、今、コミュニティ・スクールの導入によって、保護者や地域と協議をし、共通理解のもとで、学校の先生方の業務の見直しを進めることができて、先生方の業務の削減、あるいは不登校児童に対して、担任の先生とともにサポートに入って、担任の先生の負担感が大幅に軽減されるというような事例も、全国では、先進地の事例もあっております。教員の一日当たりの超過勤務時間が大幅に減少できたなど、大きな成果を上げているところもあるようです。 そんな中、長崎県は、今のところ、九州・沖縄では、一応最下位ということじゃないかなと思うんですけれども、そうやって、逆に導入をまだしてない割合が多いのであれば、そういったところを、あるいは、先ほどから話をしております部活動の地域移行についても、そういった中身も併せた形でコミュニティ・スクールというのを立ち上げていったらどうかなと思うんですよね。特に、中学校に関していけば、人材、あるいは場所、時間、つながり、大きな役割をコミュニティ・スクールというのは持つことができるんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 本県におけますコミュニティ・スクールの導入校の事例を見ましても、登下校の見守りや農業体験、あるいは地域学習の支援などがございますので、これは教員の負担軽減が期待されるような取組だと思います。 また、今後、部活動の地域移行、これは学校と地域が連携するということが、円滑に進めるうえで重要でございますので、ぜひ、そういったものに有効なコミュニティ・スクールの導入につきましては、長崎県としても推進していきたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) その導入に対しては、実は学校支援会議というのが、前、あったんですけれども、文字からいくと学校を支援する会議になって、ただ、学校から何が必要ですかとかいう依頼を受けるだけの会議になっているところもあったようです。実際のところは違うんですけれど、お互い地域で育てるというのを前提にやっていくのが支援会議だったと思うんですけれども、そういった中身が十分に理解されずに進むことがないように、ぜひ、有効なコミュニティ・スクールであってほしいなと思いますので、取組をぜひよろしくお願いしたいというように思います。 3、特定目的基金について。 (1)基金の現状と有効活用について。 長崎県の財政状況は、大変厳しい状況ということは認識しております。 そんな中、本日も質問の中にありましたように、基金の活用というのは非常に今後重要になってくるんじゃないかなというように思うわけです。 基金の中には、古いもので60年以上前から設置した基金、あるいは、最近でいけば令和になってつくられた基金もあるようです。 ①基金の数と総額について。 まず、特定目的基金は、財政調整のための基金のほかに、教育や文化振興、産業の活性化など、あるいは森林整備、あるいは災害時の基金など、特定の目的のために必要な事業に充てる財源として積み立てているものと認識をいたしております。 そこで、特定目的基金の数、あるいは総額等の現状について、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 現在、県が設置しております特定目的基金の総数といたしましては30基金でございまして、令和3年度末の現在高といたしましては、520億6,000万円という状況でございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ②県単独で使用できる基金はどの程度あるのか。 今、30基金で520億6,000万円というお話でしたが、今、お答えいただいた基金の中で、国の施策に伴ってできた基金、あるいは取り崩しにおいても国の制約を受ける基金があると思います。 そういったもの以外で、目的に合った事業に活用する際、県の裁量で取り崩しが可能な基金の数、総額、あるいは現状について、どのように活用されておられるのか、お聞きします。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 基金の設置目的で区分をいたしますと、国の施策に伴うものが14基金、外部からの寄附等によるものが7基金、これらを除きました9基金ということでございまして、この9基金の残高といたしましては、令和3年度末で257億9,000万円という状況でございます。 これらの基金でございますけれども、例えば産業文化振興基金のように、企業誘致等の大型資金の需要に備えたものですとか、あるいは目的税の受け皿といたしまして基金を設け、森林環境の保全等に毎年度支出していく「ながさき森林環境基金」などがございます。いずれの基金といたしましても、毎年度の予算編成の中で、目的に沿った取り崩しを行っているという状況でございます。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) ③今後の基金の有効活用について。 本年9月に公表されました「中期財政見通し」においては、以前、発表があっておりました令和9年度末の財政調整基金がなくなるというような危機的な状況は回避されているようなことでございます。そうしたものの社会保障費関係や公債費の増加によって、令和7年度以降、再び財政不足が生じるのではないかという見通しが立っております。 県の裁量で取り崩しを活用できる特定目的基金についても、これまで以上に、有効かつ計画的に活用していくべきだと考えますけれども、県の見解をお聞きします。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 議員ご指摘いただきましたとおり、今後は厳しい財政状況が見込まれる中におきまして、持続可能な財政運営を行っていくことが求められているというふうに認識をしてございます。 ご指摘の特定目的基金の活用につきましても、歳入確保の観点から、適正規模を勘案しつつ、計画的に取り崩しを行うなど、設置目的に基づきながら、引き続き、効果的な活用に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 一番最初にお話したように、基金の中には古いものがあったりとか、動いていない基金もあるようなので、ぜひ、その基金の中でも一旦整理をする時期でもあるのかなと、個人的には思っております。そのあたり、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 過去の行革の取組の中で、実はそういった基金の見直しといいますか、整理ということは行ってきてございます。その中におきまして、例えば、一定の目的が同様のものを取りまとめるといったことも行ってきておりますけれども、先ほどご紹介いたしましたとおり、最近、増えているものといたしまして、やはり国の施策として設けることが求められるということが多うございますので、この辺はやはり我々の裁量として動かせないところが多いと思っております。 ただ、基金の状況自体は、各年度しっかりと見つめていきたいと思っております。 ○副議長(山口初實君) 千住議員-9番。 ◆9番(千住良治君) 基金のところは、ある程度融通が利くような形の基金のあり方であってもいいのかなというふうに思いますので、そのあたりも、特に、今、コロナ禍ということで、危機的な状況だと思います。県民の皆さんも困っている状況だと思いますので、ぜひ有効な活用もお願いしたいと。また、将来的にも将来の事業を踏まえて検討をお願いしたいというふうに思います。 以上で、一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山口初實君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 12月5日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 ご苦労さまでした。     -午後4時15分 散会-...